- 著者
-
田北 廣道
- 出版者
- 九州大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2010
本研究では、ドイツ化学工業を舞台とした認可闘争において参加主体とゲーム・ルールの双方で1880年代が一大分岐点をなすことを明らかにし、Uekotter(2007)やBayerl(1994)が主張する「環境史の分水嶺としての第二帝政期」や「大工業の序曲」の所説を再確認した。主要な成果は、1)科学技術の素人集団である「地区委員会」が審査窓口となったこと、2)現地状況に代わり科学技術が審査基準となったこと、3)認可闘争は下火に向かったこと、の3点に要約できる。