- 著者
-
松井 正文
- 出版者
- 京都大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2011
京都賀茂川において、在来オオサンショウウオが外来種チュウゴクオオサンショウウオによって遺伝子汚染を受けていることが過去の調査で分かっていた。その実態をさらに詳細に把握するため、新たなマイクロサテライトマーカーを開発し、効率よい遺伝子型判定が可能となった。賀茂川以外の河川も対象に調査した結果、遺伝子汚染は急速に進んでおり、賀茂川では在来種は絶滅した可能性があること、別水系の上桂川でも雑種化が進行していることが確認された。このように京都市域におけるオオサンショウウオの遺伝的汚染は予想以上に進行しており、何らかの方法で純粋な日本産を隔離保全していくことが早急に必要である。