著者
加納 修
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

王の滞在地の特徴は、ゲルマン国家によってかなりの相違が見られる。メロヴィング王国ではしだいに農村の宮廷が好まれるようになっていったのに対して、西ゴート王国とランゴバルド王国では王は都市に住み続けた。これに対して、宮廷組織については、相違も見られるが、興味深い共通点も確認される。とりわけ、王国建設直後のゲルマン人の王たちが、王に従属する非自由人に重要な任務を委ねていたことである。こうした統治の手法は、既存の勢力、ローマ人貴族やゲルマン人有力者層の勢力拡大を抑制する目的を持っていたと想定される。

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こんな研究ありました:ゲルマン部族国家の宮廷構造に関する比較史研究(加納 修) http://t.co/f6zQ3aroI5

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