- 著者
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太田 明
- 出版者
- 玉川大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2011
本研究は主に次の3点を明らかにした。第一に、1997年にユネスコが採択した「現在の世代の未来世代に対する責任に関する宣言」とハンス・ヨナスの『責任という原理』の未来倫理を中心にして、その主張の論理を検討し、両者は異なった正当化原理を用いており、両者の間には責任の階層性と言うべきものがあることを示した。第二に、それを明確にするために「責任」概念の歴史的展開を検討し、責任概念の構造図式を提案し、この図式に基づいて、上記の階層性を考察し、それが責任規範(価値理論)の違いに由来することを示した。第三に、論法」の観点から分析しさまざまな「世代間正義論」の難点を認識した。