著者
藤本 一勇
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

脱構築思想を普及させたフランスの哲学者ジャック・デリダ(1930-2004)の基礎概念である「差延」は、伝統的な哲学における時間と空間の概念を変形し、両者が一体となり循環しあう関係を示す戦略素である。この概念を軸に、言語記号、テクスト、経験、情報、テクノロジー、政治権力など広範なデリダの思想を整理・読解し、彼の多様な思考の根底を「差延」というモチーフが貫いていることを明らかにした。その結果、初期の理論的段階、中期の文学的段階、後期の政治・倫理的段階を、表面的な変化にとらわれず、一貫したものとして把握することが可能となり、翻って同時代の多様な環境との相関関係を理解することを可能にした。

言及状況

Twitter (3 users, 3 posts, 12 favorites)

差延は、デリダの初期の理論的段階、中期の文学的段階、後期の政治・倫理的段階の、その表面的な変化にとらわれず、一貫して把握されるモチーフである。 https://t.co/vkJDSYDqBT

収集済み URL リスト