著者
塚本 敏夫 小村 眞理 橋本 達也 初村 武寛 田中 由里
出版者
公益財団法人元興寺文化財研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

小札甲は古墳時代には裲襠式と胴丸式の2型式が存在したとの通説があったが、今回の調査で裲襠式は確認できなかった。それに対して、鉄革併用小札甲が広範囲に流通していたことが明らかになった。また、小札甲が古墳時代から古代、中世にかけて、戦闘用の武具としての機能とは別に、祭祀に利用されている新事実が明らかになった。特に、噴火や火災に関する祭祀に小札片を絶切って利用する実態や人型に転用する事例も明らかになった。律令期の鉄甲から革甲への変換時の文献記述の検証のため、復元模造品による堅固性の比較実験を行った。その結果、革甲が小札甲には劣るが、短甲より堅固性であり、革組より組紐が堅固であることが判明した。

言及状況

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岡山県の八幡大塚古墳、発掘調査報告書が出る気配が無いので出土挂甲の全容が把握できないのだけど、展示品を見るとΩ字形腰札が綴じあわせた状態を保って出土しているので復元製作の良い参考になりそう。 科研費調査によると鉄革併用甲と考えられている模様。 https://t.co/Z4UHrybTTi
出土事例を見た感じ古墳時代に両当式挂甲って存在しないよなと疑問に思っていたのだけど、塚本敏夫氏の調査でも「両当式と胴丸式の2型式が存在したとの通説があったが、今回の調査で両当式は確認できなかった」と報告されているのでやはり無いっぽい。 https://t.co/2MxhU7G8Tv
・・・などと考えていたら既に本職の方が書かれてたので、数年したら「両当式挂甲」についての定説は修正されそう。 https://t.co/EKFDRNGVK9

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