著者
林 淳 岡田 正彦 梅田 千尋
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

近世には4回の改暦が幕府を中心におこなわれ、暦が全国に流通した。9世紀の改暦以来、長い空白があり、1685年貞享改暦をなされた。貞享改暦が企画された背景には、渋川春海の復古的な国家観があった。渋川によれば、神武天皇が古暦を作成したが、それが失われて、その後に中国暦が伝来した。中国暦をそのまま日本で使うことは、中国の文化的な属国になることを意味するという。貞享改暦以降、暦が全国統一されて、流通したことによって、暦の知識をふまえた暦占・易占が出版というかたちで民衆世界に広がった。また仏教天文学は、暦学の進展にともない近世後半に宗派をこえた思想運動になった。

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