著者
磯部 祐子
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、江戸後期から明治初期の漢文笑話集および漢文小説に 収められた漢文笑話の所蔵・書誌の調査、訳読と作品の分析を行い、各話の特色、パロディ化された出典の変遷を導く。これにより、江戸後期および明治の漢文笑話が、江戸前期漢文笑話の特徴であった小咄の翻案や中国『笑府』の模倣の枠を超えて、風刺性・物語性が増加していくことを導き、その背景を考証するものである。本研究は、これまで、日本における漢文笑話作品集のうち、『笑門』(1797)、『胡盧百転』(1797)、『笑堂福聚』(1804)、『善謔随訳続編』(1798)、『奇談新編』(1842)の基礎的調査と訳読を終えたが、今年度は『善謔随訳続編』について、個々の笑話を『沙石集』の影響・先行小咄との関連性 ・中国由来の典故の使用実態・使用語彙の特質・仏教色等の側面から考察し、訳読・解説およびその考察結果を論文として発表した。すでに発表公刊している「善謔随訳続編を読む(一)」(『富山大学人文学部紀要第67号』)に続編である、「善謔随訳続編を読む(二)」(『富山大学人文学部紀要第67号』)「善謔随訳続編を読む(三)」(『富山大学人文学部紀要第68号』)の二篇がそれである。その中では、『善謔随訳』と『善謔随訳続編』の相違とその背景にも言及した。また、『訳準笑話』作品と明代『笑府』の関係について、一昨年、中国寧波天一閣博物館・上海復旦大學古籍整理研究所共催の「明代的書籍與文學國際學術討論會」において発表した内容に基づき、中国の研究誌『文匯学人』第308期に、「從中國笑話到日本小咄」と題して発表した。この論考は、中国の笑話「笑府」の影響下にあると思われる『訳準笑話』作品を、『笑府』の原話と比較し、①用語の文言化、②内容の日本化、③ストーリーの合理化、④中日笑話の相違等の視点から考察したものである。他、『奇談新編』についても、訳読と解説を進めた。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

KAKEN - 神智学運動とその汎アジア的文化接触の比較文学的研究─東西融和と民主主義の相克─(26284054) http://t.co/BKy2BLGsfx KAKEN - 漢文笑話の訳読と研究(26370202) http://t.co/Xvbw9qaveH

収集済み URL リスト