著者
原田 忠 西沢 理
出版者
秋田大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1985

形状記憶合金ニテノールを使用した新しい人工尿道括約筋およびpenileprosthesisを試作した。人工尿道括約筋の構造は、馬蹄状にした一方向記憶ワイヤーあるいは二方向板バネの周囲に加温用ニクロム線を巻きつけ、これをシリコンゴムで包埋したものである。またpenile prosthesisは一方向記憶合金を束ね、その周囲に加温用ニクロム線を巻きシリコンゴムでシリンダ一状に包埋したものである。これらのprosthesisは直流電源あるいはバッテリーによって加温されると、あらかじめ記憶させた形状に変態動作し、目的を達するよう工夫されたものである。加温電力,変態時間,応用,表面温度を基礎的に検討したが、いずれも問題なく、またpenile prosthesisは適度な擬弾性が認められ臨床的使用に耐え得るものと考えられた。また犬を用いた人工尿道括約筋埋め込み実験からは、排尿,蓄尿という二つの作用が本デバイスによってコントロールされることが確認された。

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