著者
吉田 章
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1986

昭和61年度の調査では, 自然教室推進事業を中心とした各地での野外教育活動の実態について, 各教育委員会を対象とした質問紙による調査を行ない, その結果, 期間・指導者・内容・費用を初めとした多くの問題点が明らかとなった.本年度においては, これらの野外教育活動が実際に展開されている場として, 全国の少年自然の家および青年の家を対象とした野外教育活動の実態についての調査を質問紙によって行うと共に, それらの中でも代表的な施設数ヶ所において実踏調査を実施し, 実際にどのような活動が展開されているのかについて観察調査を行った. また, 社会教育事業として先鞭的な影響を与えている「無人島生活体験キャンプ」(10泊11日間)に研究調査のために同行し, 現在多くの組織で問題となっている期間・指導者・内容そして成果についての観点から調査を行った.それらの調査の結果, 施設を対象とした調査においては, 利用形態として3泊4日の日程で, 野外観察・登山・オリエンテーリング・飯盒炊飯・キャンプファイアーのプログラムを行うといったパターンに典型化することができ, また問題点としては, 利用団体におけるねらいや目的意識,またそれらに伴なう活動内容といった点における主体性に欠けていることが明らかとなった.一方, 無人島生活体験キャンプにおける調査では, 10泊11日間という期間が子供達の生活適応および活動を通しての成果といった観点から有意に効果的な働らきをもたらしていることを明らかにすることができた.今日まで野外教育は, 総合的な教育活動として全ての人格形成に資するものとしてとらえられてきたが, 今後は野外教育活動の普及に伴ない, ねらいを絞る必要性を明らかにできた.

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こんな研究ありました:野外教育活動の実態および成果に関する調査研究(吉田 章) http://t.co/aBY0YYVjnh
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