著者
高須 清誠
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010

同一の反応空間においてひとつの触媒が反応機構の異なる複数の反応を活性化して反応基質を連続的に化学変換することができれば(タンデム触媒系)、複雑な分子構造を単純な原料から一挙に構築することが可能となる。しかし、複数の分子の混合状態において、同一の触媒で選択的に基質を活性化して異なる反応を秩序よく進行させることは極めて困難である。23年度は、マイクロリアクターを用いた空間集積合成への適用を含め、時空間集積および時間集積とあわせて複雑分子の構築法の開発を検討した。また、その反応を利用していくつかの生理活性天然物なちびに低pH応答型の人工DNA切断分子の創製を目指した。検討の結果、以下にまとめた成果を明らかにした。1.マイクロリアクターを用いた室温での触媒的(2+2)環化付加の実現(空間集積)2.タンデム触媒系を利用した連続的異性化-(2+2)環化付加の開発(時間集積)3.低pHに応答してDNAを選択的に切断するシクロブタン化合物の創製(上記の集積反応を活用)4.タンデム触媒系でのイナミドを基質とする反応の開発:不飽和イナミドおよび多置換キノリンの合成(時空間集積)5.不斉共役付加を基点とするワンポット反応でのキラルβアミノ酸誘導体の合成(時間集積)と、統合失調症治療薬ネモナプリドの短行程不斉合成即ち、Tf2NHの多彩な触媒活性を利用した反応集積化を行い(2+2)環化付加を含む連続反応を開発するとともに、生理活性天然物の母核構造の短行程合成に成功した。また、低pH応答型DNA切断分子を設計し、実際に目的の機能を示すことを明らかにした。

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こんな研究ありました:タンデム触媒系を用いた単行程高度分子変換法の開発と生理活性物質合成への応用(高須 清誠) http://t.co/sXGAJP49r7

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