- 著者
-
清水 孝宏
松山 美智子
豊見山 直樹
- 出版者
- 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
- 雑誌
- 日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.2, pp.679-683, 2015 (Released:2015-04-20)
- 参考文献数
- 22
経腸栄養法を行う場合、経腸栄養チューブの先端が目的とする場所に留置されているかを確認しなければならない。その理由として誤って気道内に留置され気胸を発症するリスクがあることや、栄養剤等が気道に注入されることで誤嚥性肺炎を起こす危険性があるからである。挿入された胃管の先端位置を確認する方法は X線撮影による確認、気泡音による確認、呼気二酸化炭素検出による確認などがあるが最も信頼性のある確認方法は X線撮影による確認である。胃内残量については経腸栄養を胃内投与した場合の消化管の耐性を評価する目的で行われている。胃内残量が500mL以上と多い場合には栄養剤注入を中止すべきであると、国内外のガイドラインで記載されているが明確な根拠があるわけではない。経腸栄養は安全性を確保しつ、可能な限り中断せずにステップアップし適切な量を維持することが重要である。そのためのチューブ位置確認や胃内残量管理は注目すべき事柄であろう。