著者
西川祐信 画
出版者
八文字屋八左衛門
巻号頁・発行日
1723

八文字自笑作、西川祐信画の女性風俗絵本で、祐信絵本の代表作。2巻。享保8年(1723)正月、八文字屋八左衛門刊。大本合1冊。序に「古今女中の絵鏡草とならむ事をねがふより。いろ品のたがひはあれど。凡百花に准じて。すぐさま百人女郎と外題す」とあるように、見本とすべき女性の多様な姿絵を集めて、解説を付している。上巻は、女帝、皇后から、公卿、武家、町人、商人、百姓に至るまでの様々な身分、職掌の女性について描き分けたもの。とくに京都ならではの「白川ノ石うり」「八瀬の黒木売、大原の柴うり」などは見所である。下巻は、京島原、江戸吉原、大坂新町の遊女達から、茶屋女、奉公人女、歌比丘尼、湯女、惣嫁、その他の多彩な女性風俗を取り挙げており、中には「時宗の室」(鎌倉東慶寺開山)という珍しい例もある。(鈴木淳)
著者
近松門左衛門 作
出版者
八文字屋八左衛門
巻号頁・発行日
1699

近松門左衛門が、京都で歌舞伎作者をしていた時期の絵入狂言本(えいりきょうげんぼん)。絵入狂言本とは、歌舞伎のあらすじを挿絵入りで記したもので、当時の歌舞伎興行のパンフレットのような刊行物である。脇方簽に「近松門左衛門作」との表記あり。八文字屋八左衛門板。関根只誠・木村素石・萩原乙彦らの旧蔵書。
著者
松好齋半兵衛 戯作
出版者
八文字屋八左衛門
巻号頁・発行日
vol.[2], 1800

劇書。拾遺2巻2冊。大伴大江丸の序に「みつのへいのとし」とあり(ただし、掲出本はこの部分欠)、享和2年(1802)刊とみられる。正編と同じく河内屋太助版。正編と同様に、絵入りの劇界百科全書をめざし、歌舞伎の劇場表の細見図もあるが、歌舞伎以上に操り(人形浄瑠璃)に詳しいのが特長。近世期の人形浄瑠璃についての絵画資料は、歌舞伎にくらべて乏しく、人形の構造や楽屋の様子については、本書がたびたび引用される。とりわけ人形の構造は、基本的に近現代に至るまで変わっていないことを示す、無二の画証となっている。(児玉竜一)(2016.2)
著者
松好齋半兵衛 戯作
出版者
八文字屋八左衛門
巻号頁・発行日
vol.[1], 1800

劇書。正編2巻2冊。刊記は「寛政十二庚申年」、跋文に「とりの初春」とあるので翌13年(1801)発売とみられる。河内屋太助版。奥付には八文字屋八左衛門の墨印があり、売り捌き店の証かとされる。世代交代期を迎えつつある寛政期の大阪歌舞伎を中心に、絵入りの劇界百科全書をめざしたもの。江戸で刊行された同趣の『羽勘三台図絵』(寛政3年[1791]刊、当館請求記号:245-193)『戯作訓蒙図彙』(享和3年[1803]刊、当館請求記号:W99-21)が知られるが、上方の諸習慣や知識を開陳している点で資料的価値が高い。上巻は道頓堀の芝居行事から稽古の様子を描き、下巻では楽屋や舞台裏の光景をみせる。著者の松好斎半兵衛が絵も担当し、当時の生写し流行を背景に、役者は似顔で描かれている。下巻末に人気役者13名を似顔で描き、自筆短冊の模刻が添えられている。(児玉竜一)(2016.2)
著者
江島其磧
出版者
八文字屋八左衛門
巻号頁・発行日
vol.下, 1732
著者
八文舎自笑
出版者
八文字屋八左衛門
巻号頁・発行日
vol.[1], 1801

1 0 0 0 OA 役者論語

著者
八文舎自笑 編
出版者
八文字屋八左衛門
巻号頁・発行日
vol.[3], 1776

1 0 0 0 OA 古今役者大全

著者
八文字屋其笑
出版者
八文字屋八左衛門
巻号頁・発行日
vol.巻之1,3-6, 1750

劇書。もともと全6巻であるが、巻之二を欠く5巻を1冊に合綴してある。寛延3年(1750)3月刊。八文字屋八左衛門板。八文字其笑・八文字瑞笑が巻之六巻末に「撰者」として名を連ねるが、同じく巻之六に跋文を記す南圭梅花嶺老人(多田南嶺)の手によったと考えられている。劇書として分類される刊行物の最も早い例とされる。長らく役者評判記を刊行してきた八文字屋が、その蓄積をいかして、起源・評判・故実・系譜にわたる集大成をめざしたもの。『日本庶民文化史料集成』6巻(三一書房、1973年)に翻刻があり、諸本調査の結果、広告掲載状況から文化文政期に至るまで70年近く刊行され続けたことが確認されている。巻之一は「役者の始りの事」以降、三ヶ津の芝居の起源、役者の濫觴を説く。巻之二は「伎芸圏批巻上」であるが、当館では欠本。巻之三は「伎芸圏批巻中」として、「三ヶ津実悪評」「三ヶ津敵役評」「三ヶ津道化形ノ評」「三ヶ津花車形ノ評」に具体的な事例を挙げている。巻之四は「伎芸圏批巻下」として、「三ヶ津若女形ノ評」「三ヶ津若衆形ノ評」「代々不易江戸太夫之伝」の3項目に、具体的な役者の芸風を列挙している。巻之五は「役者故実巻」として、のちに『役者論語』に収められる「優家七部書」などからの引用も含めて、古名優の言行を摘記している。巻之六は「師弟分派系譜」として、三都の歌舞伎役者の師弟係累が系統別に紹介されている。(児玉竜一)(2017.2)