著者
村上 和雄 堀 美代 坂本 成子 大西 淳之
出版者
公益財団法人国際科学振興財団
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、瞑想や祈りなど人類が社会生活の営みに取り入れてきた宗教性が健康にもたらす効果を、アロスタティックな心身変容と捉えて実証した。仏教の護摩行を実践した僧侶は炎症関連,脂肪酸代謝関連,NK細胞調節関連の遺伝子が発現増加し、呼吸やアミノ酸代謝、脂質代謝などの代謝産物の変動が見られた。一方、ヨーガ瞑想の実験では、熟練度で遺伝子発現プロファイルが異なっていた。しかし、ヨーガの経験の有無に関係なく、ネガティブな感情が低下し、がん抑制関連の遺伝子発現やケトン体の生合成や分解に関わる代謝産物などが変動した。また、護摩行とヨーガ瞑想ともに未経験の被験者において即時的な効果が引き出されることも分かった。
著者
赤池 敏宏 小畠 英理 長岡 正人 伊勢 裕彦 原田 伊知郎 賀喜 白乙
出版者
公益財団法人国際科学振興財団
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

細胞接着分子として知られているE-カドヘリン分子をベースをしたキメラタンパク質E-カドヘリンFc分子の設計をふまえ、このE-カドヘリン-Fc固定型培養器材を用いることにより、ES/iPS細胞をコロニー化させずに、均一に分散した単一細胞状態での培養に成功した。さらに開発した新方法とコロニー形成させてしまう既存の方法を比較する為、発信される細胞内シグナルも比較・解析した。本研究によりES/iPS細胞の均一な未分化増殖・肝細胞・神経細胞への均一系での分化誘導とソーティング技術を確立しES/iPS細胞用まな板のコンセプトを確立した。
著者
堀 美代 村上 和雄 坂本 成子 大西 英理子 大西 淳之 一谷 幸男 山田 一夫
出版者
公益財団法人国際科学振興財団
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

幼若期の社会的隔離によって引き起こされるストレス脆弱性に対する快情動の効果を検証した。仔ラットどうしの遊び(rough and tumble play)をモデルにしたtickling刺激は、50kHz音声の表出と側坐核のドパミン分泌を促し、恐怖条件づけの恐怖反応や自律神経系のストレス応答を軽減させた。これらのことは、幼若期において他個体との相互作用を伴う遊び行動が、快情動形成およびストレス応答性の獲得に影響を及ぼす可能性を示唆する。