- 著者
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求那致陀羅<Gunabhadra>//訳
- 出版者
- 写
巻首内題下に「神護寺」の朱方印があり「神護寺経」と通称されるものの1巻である。神護寺経は平安時代後期を代表する紺紙金字一切経で、紺色の料紙に金泥で経文を書写する。書写年代は付属の経帙に久安5年(1149)の墨書があることから、平安末と推定されている。鳥羽院の発願により後白河院が神護寺に寄進したと伝えられ、全部で5,400巻余あったが、現在神護寺に残るのは2,317巻、その他は民間に流出した。この本は和様の書風。界線は銀。表紙は宝相華唐草模様、見返しは釈迦説法図。軸は撥型鍍金魚子地四弁花文。経名の「【ビ】摩肅経」は「【ビ】摩肅」という人物を相手に説法していることより題されている。