- 著者
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世阿弥
- 出版者
- 写
世阿弥(1363?-1443?)の能楽論。書名は題簽による。本来の書名は『三道』。「三道」の名は、能の製作が、種(主人公の選定)、作(構成)、書(作詞、作曲)の三過程から成ると説くことに由来。13か条から成る。巻末に応永30年(1423)2月の本奥書があり、子の観世七郎元能に秘伝すると記す。世阿弥の能楽論は、このように子や弟、女婿など親族に相伝された。中でも本書は、能の作り方を体系的に記したものとして、謡曲作品研究の重要資料である。本書は、第7代観世大夫元忠(宗節。1509-83)の書写と推定される。観世宗家には、その書写になる伝書や謡本が多く伝来している。