著者
白 恩正 Eunjeong BAEK
出版者
創価大学社会学会
雑誌
SOCIOLOGICA (ISSN:03859754)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.75-98, 2019-03-20

米軍政期の各界の韓国人リーダーは、戦前は朝鮮総督府の下位パートナー、戦後は米軍政の下位パートナーとなり、やがて戦後韓国の新しい政治権力へと成長した。この背景として米軍政が人材を登用する際、英語能力、親米派、反共産主義者である点は重視しながらも、戦前の親日経歴は問題視しなかった点を挙げられる。これは民族主義者、反米者、左派、中道派が排除されたことを意味する。もう一つの理由は、戦後の歴史清算の試みである「反民族行為処罰法」が失敗に終わったことである。その結果、プロテスタントは戦後の再建にあたって、戦前の神社参拝に同調・黙認していた人たちが教会のリーダーとなった。この過程において戦前の神社参拝に反対し投獄された人々は排除された。政治権力に順応的であったプロテスタントは、のちの李承晩政権の反共・単政(韓半島の単独政府)路線を支持し、朴正熙の軍部独裁政権の反共路線を支持することにもなった。これに呼応して米軍政と李承晩政権は、プロテスタントに対して積極的な優遇政策を展開する。この国家権力とプロテスタントの関係は信者の拡大に大きく寄与した。今日におけるプロテスタント教会とりわけ大型教会にみられる権力志向的な性格は戦後の歴史清算の失敗と深くかかわっていることを示した。
著者
小林 和夫 Kazuo KOBAYASHI
出版者
創価大学社会学会
雑誌
SOCIOLOGICA (ISSN:03859754)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.29-56, 2019-03-20

本論では,ザカート(喜捨)を原資とする社会基金であるバイトゥル・マルを事例として,日本占領期ジャワにおけるイスラーム教理の制度化の歴史的背景を考察した.分析の結果,バンドゥン県のイトゥル・マルの導入というイスラーム教義の制度化は,ウィラナタクスマのロイスの構想とエリート官吏としての指導力,困窮者救済を義務とするイスラームの教理,そしてジャワ軍政当局のイスラーム対策の構造的欠陥と住民の動員・統制の必要性―という3つの歴史的条件が重なって行なわれたことが明らかになった.また,1942 年6月という軍政初期に導入されたバンドゥン県のバイトゥル・マルは,その規模や機能は限定的とはいえ,ジャワ軍政における事実上はじめての大衆組織としての性格をもっていたことが指摘された.
出版者
創価大学社会学会
雑誌
SOCIOLOGICA (ISSN:03859754)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1/2, pp.31-34, 2018-03-20
著者
佐々木 交賢
出版者
創価大学社会学会
雑誌
Sociologica (ISSN:03859754)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.p79-100, 1993-12
著者
遠藤 美純
出版者
創価大学社会学会
雑誌
ソシオロジカ (ISSN:03859754)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.105-119, 2011-03