著者
平 弥悠紀 ヒラ ミユキ Hira Miyuki
出版者
同志社大学日本語・日本文化教育センター
雑誌
同志社大学日本語・日本文化研究
巻号頁・発行日
no.7, pp.1-16, 2009-03

論文(Article)音象徴語の語基について、2拍語基から便宜的に語基の第2拍がラ行音であるものを独立させ、AR型(2拍語基で第2拍がラ行音)、AB型(2拍語基で第2拍がラ行音以外)、A型(1拍語基)の3つに分類し、これまで研究を行ってきた。本稿ではAR語基を更に語基別に調査し、特に、「Aリ」語基について、特徴を明らかにした。
著者
竹島 奈歩 タケシマ ナオ Takeshima Nao
出版者
同志社大学日本語・日本文化教育センター
雑誌
同志社大学日本語・日本文化研究 (ISSN:21868816)
巻号頁・発行日
no.11, pp.59-67, 2013-02

研究ノート(Note)言葉は時代とともにその意味・用法を変化させたり、新たな意味・用法を獲得し意味領域や用法を拡大させたりする。本稿は、「お茶の間」を例にその変遷をたどる。「お茶の間」は、元来日本家屋の一室を指す言葉であったが、抽象的な意味を派生させ、同時に新たな用法をも獲得した。この用法は4つのカテゴリーに大別できるが、本稿ではその中の一つ、メディアと関わる「お茶の間○○」に焦点を当てた。メディアと関わる「お茶の間○○」は、他の3つのカテゴリーとは異なり、「お茶の間○○」の媒介となるメディアが時代とともに変化するという大きな特徴を有する。当初は、日常生活において主流とされるメディアが新たなメディアに取って代わるとき、「お茶の間○○」の指す媒体も変化し、新たな「お茶の間○○」が数多く産出されると予想されたが、実際はそうではなかった。本稿を通して、メディアと関わる「お茶の間○○」は、(1)時代の流れによって「お茶の間○○」が意味するメディアが変わる、(2)家に居ながらにしてできることが当たり前になるとその語彙自体がすたれていく傾向にある、(3)家族そろって囲めるメディアに使うことが多く、個で楽しむパーソナルメディアにおいては産出されにくい、ということが確認された。
著者
京野 千穂 キョウノ チホ Kyono Chiho
出版者
同志社大学日本語・日本文化教育センター
雑誌
同志社大学日本語・日本文化研究
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-16, 2011-03

研究論文本稿は、KYコーパスを分析し、学習が進みにくいとされる「非ノダ」の機能を明らかにする。ノダは聞き手の想定内に存在しない情報で、聞き手に物事の把握を促すために用いられる。非ノダは、聞き手の想定に関わらない、話者側の正否判断を明示するものである。また、ノダが聞き手に物事の全像把握を促すための、関連周辺情報を提示するのに対し、非ノダは独立した中核的情報を示すことを明らかにする。This paper clarifies the discourse functions of the sentences without the nominalization marker, noda. Noda provides the information that does not exist in the hearer's assumption to promote his understanding of the whole situation. On the other hand, when the speaker uses non-noda sentences, he does not concern if the information is within the speaker's assumption or not. It conveys speaker's definite affirmation or negation of propositions. While noda provides related and background information and induce the hearer to grasp the whole picture, non-noda sentences present independent and central information not relating to other events/states.
著者
脇田 里子 三谷 閑子 ワキタ リコ ミタニ シズコ Wakita Riko Mitani shizuko
出版者
同志社大学日本語・日本文化教育センター
雑誌
同志社大学日本語・日本文化研究
巻号頁・発行日
no.9, pp.59-79, 2011-03

研究論文2010年度春学期日文センターの超級レベルの「文章表現」と「口頭表現」の授業の連携をもとに、レポートと口頭発表のデータを分析、考察する。授業の連携とは「文章表現」で執筆したレポートを「口頭表現」の授業で口頭発表することである。この連携による実践の結果から、超級レベルの日本語教育においては、あるテーマを深く追究することを重視し、4技能を総合的に身につける「内容重視の言語教育」の重要性を確認する。This paper analyzes the research papers written by the high advanced level students in Writing class (Written expression VIII) and their presentation drafts in Presentation class (Oral expression A VIII) in 2010 spring semester at Center for Japanese Language and Culture. Analyzing the result of implementing the connective practice of writing and presentation classes, the authors propose that the "content-based language instruction" is significant to be emphasized at high advanced Japanese level. The reason is that learners think and learn about the target language deeply through pursuing one research theme with four language skills integrated.