著者
南部 久男 後藤 優介
出版者
富山市科学博物館
雑誌
富山市科学博物館研究報告 = Bulletin of the Toyama Science Museum (ISSN:1882384X)
巻号頁・発行日
no.39, pp.153-163, 2015-06-20

文献や情報提供等により富山県の立山連峰の哺乳類相を報告した.標高約2000m以上の高山から,6目14科25種の哺乳類が記録された.小型哺乳類ではモグラ目の5種,ネズミ目ネズミ科6種が記録された.中型哺乳類では,キツネ,テン,ノウサギの記録が多く,オコジョは5~10月中旬に室堂や周辺の山々で記録があり,10月下旬には冬毛の個体が少数記録されている.大型哺乳類では,ツキノワグマが6~11月に高山帯で記録されている.イノシシは室堂で記録され,ニホンジカは岐阜県境の稜線付近で記録され,高山帯へ分布域を広げていると思われる.
著者
南部 久男 関 東雄 田島 木綿子 山田 格
出版者
富山市科学博物館
雑誌
富山市科学博物館研究報告 = Bulletin of the Toyama Science Museum (ISSN:1882384X)
巻号頁・発行日
no.40, pp.99-101, 2016-06-20

2015年の富山湾(富山県側)で鯨類の漂着,目撃情報を収集した.2015年はマイルカ科のカマイルカLagenorhynchus obliquidens の漂着6例6個体,目撃3例と,ネズミイルカ科のイシイルカ(イシイルカ型)Phocoenoides dalliの漂着が1例1個体確認された.両種とも富山湾では既知種である.カマイルカの12月の目撃情報は,北上初期に富山湾へ来遊した個体と考えられ,富山湾では最も早い時期のカマイルカの目撃情報であった.イシイルカは富山湾での記録は少なく,今回が3例目であった.
著者
近藤 秀作 竹中 萌美 林 忠史
出版者
富山市科学博物館
雑誌
富山市科学博物館研究報告 = Bulletin of the Toyama Science Museum (ISSN:1882384X)
巻号頁・発行日
no.45, pp.73-74, 2021-07-01

富山市科学博物館の屋上に流星観測を行うための観測システムを構築し、2020年4月~2021年1月までテスト観測を実施した。光害の影響が大きい場所での観測のため、流星をとらえる高感度ビデオカメラの設置方法や動体監視ソフトのパネラメーターを調整しながら観測を行った。結果、約-3。3~2。2等の明るさの流星を捉えることができ、ペルセウス座流星群やふたご座流星群の流星を検出することもできた。

1 0 0 0 IR 立山に積る雪

著者
島田 亙
出版者
富山市科学博物館
雑誌
とやまと自然
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.1-8, 2018-01-05
著者
後藤 道治 藤田 将人 平澤 聡 佐藤 正
出版者
富山市科学博物館
雑誌
富山市科学博物館研究報告 = Bulletin of the Toyama Science Museum (ISSN:1882384X)
巻号頁・発行日
no.42, pp.1-13, 2018-07-01

富山県富山市有峰地域の東坂森谷に分布する上部ジュラ系有峰層から,アンモノイド3種,Perisphinctes (Kranaosphinctes) matsushimai,Perisphinctes (Perisphinctes) cf. ozikaensis,Taramelliceras sp.が産出したので記載する.Perisphinctes (Kranaosphinctes) matsushimai は直径25 cm以上にもなる大型のアンモノイドであり,これまで有峰地域からも報告されている.Perisphinctes (Perisphinctes) cf. ozikaensisは九頭竜層群からは2例目の発見であり,宮城県牡鹿半島からも報告されている.Taramelliceras sp.は有峰地域の真川から報告例があるが,東坂森谷からは初めての発見である.これらのアンモノイドは有峰層が後期ジュラ紀の中期オックスフォーディアン期を示唆するものであり,ジュラ紀の地史,古生物学的研究の一助となると考えられる.