著者
増渕 佳子 石崎 泰男 白井 智仁 松本 亜希子 宮坂 瑞穂 中川 光弘
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.10, pp.533-550, 2016-10-15 (Released:2017-01-20)
参考文献数
29

沼沢火山の先カルデラ期とカルデラ形成期の噴出物の岩石記載,斑晶鉱物組成,全岩主・微量成分組成および同位体組成から,沼沢火山では,噴火期ごとに流紋岩~デイサイト質マグマで満たされた珪長質マグマ溜りが再生されたことが明らかとなった.マグマ蓄積率を求めると,カルデラ形成噴火では他の噴火期に比べ2~40倍の早さでマグマが蓄積されたと考えられる.また,4.3万年前の惣山噴火以降,珪長質マグマとともに安山岩質マグマが噴出している.先カルデラ期で噴出した安山岩質マグマは,噴火の主体となった珪長質マグマと同じ同位体組成をもち,起源物質は同じであると考えられる.一方で,カルデラ形成噴火で噴出した3種類のマグマは異なる同位体組成をもつことから,地下の多様な場でマグマが発生し,それが地殻中の浅所マグマ溜りに集積したことが示唆され,このことが大規模なカルデラ形成噴火を発生させた原因の一つになった可能性が高い.
著者
畝田 道雄 今村 友貴 後藤 道治 増渕 佳子 石川 憲一
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2014年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.277-278, 2014-03-01 (Released:2014-09-01)

本研究では河川礫が河川中で擦過作用を受ける自然現象に着目し,河口からの距離を礫の幾何的特性の変化から推定することを通じて,超精密研磨の起源やメカニズム,さらには別視点で地層体積環境を推定することを試みている.本報告では,2つの一級河川の礫による表面粗さ,硬さ,形状,比重の測定評価を行うとともに,多変量解析でデータ分析した結果を述べる.