著者
山根 智恵 難波 愛
出版者
山陽学園大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

1.日本人高校生(142名)、韓国人高校生(60名)、豪州人高校生(54名)へのアンケート調査の結果、異文化理解を主な目的として日本語を学習した韓国人・豪州人は、日本人より日本・日本文化に対して多様な見方をしており、異文化適応度も高いという結果が得られた。この異文化適応度に関しては、Kelley and Meyersが中心となって作成した、Cross-Cultural Adaptability Inventoryの全50項目[下位尺度は(1)情緒の安定、(2)柔軟性・開放性、(3)認知の鋭敏さ、(4)自立性]を使用し、得られた数値で分散分析を行った。多重比較の結果、適応度は、豪州人>韓国人>日本人の順で得点が高かった。ここから、異文化理解を目的とする外国語教育はLo Biancoらが提唱する「第三の場所」の構築に確実につながっていることが確認できた。2.日本人高校生、韓国人高校生各4人のOPI(ロールプレイ部分)を分析した結果、日本人の非言語行動の特徴として、発話中の首振り(話し手の場合)と相槌の首振り(聞き手の場合)が観察された。ここから日本人が会話を円滑に進めていく際に、首の縦振りが重要な役割を担っていることが明らかとなった。また、韓国人の特徴として、目上の人との会話に、腕組み、肘付き、頬杖が観察された。これらは日本人には見られない手の動きであり、長幼の序を守る両国でも表し方が異なることが窺えた。3.18年度の調査結果は現在分析中であるが、17年度までの項目・手法と異なる点は、次の通りである。この結果と未発表のデータについては、今後順次発表する。(1)「目本らしさ」「日本文化らしさ」「学習希望項目」の選択理由を記述させた。(2)「日本文化らしさ」の選択要因(例:日本人との接触、情報機器)を選択肢より選択させた。(3)日本語能力の変化を分析するため、30人に春と冬の2回、インタビューを行った。
著者
関 三雄
出版者
山陽学園大学
雑誌
山陽学園短期大学紀要 (ISSN:13410644)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.21-35, 2004

俗悪とは解放だ。つまり悪趣味を恐れないこと、立派な人間だと思われたいという欲求に打ち勝つことなんだ。
著者
中川 淳子 川田 尚鋪
出版者
山陽学園大学
雑誌
山陽学園短期大学紀要 (ISSN:13410644)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.91-95, 2002

本学の一般学生(食物栄養学科2年次生)と運動部(バレーボール部)所属学生について身体状況調査、身体機能調査、生活時間調査を行い以下の結果を得た。1)身体状況調査では運動部所属学生の身長が一般学生のそれより有意に高かったが体重、BMIについては有意の差は無かった。また、一般学生の身体は全国の平均値と同じであった。2)身体機能調査では筋力では握力には有意差は認められなかったが、背筋力では運動部所属学生の方が有意に高かった。そして、身体の柔軟度を示す体前屈では運動部所属学生の方が柔軟性が高かった。また、運動部所属の学生は一般学生に比べ安静時脈拍が低値を示し、運動負荷による脈拍充進からの回復が速やかであることがわかった。全身の持久性能力のよい指標となる最大酸素摂取量については運動部所属学生の方が一般学生より格段に良好な高値を示した。3)5日間の生活時間調査によって得られた生活活動指数では運動部所属学生の方が一般学生より高く、活発に活動しており、その分睡眠時間は運動部学生の方が長くなっている。このようなメリハリのある生活内容が最大酸素摂取量の良好な数値、すなわち全身持久力の高い身体を形成するのに寄与しているものと考えられる。4)これらのことから、生活習慣病の予防だけでなく健康の保持・増進のためにも日々の生活に運動を取り入れ、それを習慣化するよう心がけることの大切さが強く示唆された。