著者
太田 健一 綿 祐二
出版者
日本福祉大学健康科学部, 日本福祉大学健康科学研究所
雑誌
日本福祉大学健康科学論集 = The Journal of Health Sciences, Nihon Fukushi University
巻号頁・発行日
no.24, pp.1-10, 2021-03-30

Participation of International Classification of Functioing, Disability and Health(ICF)is considered an important achievement in the field of rehabilitation. But there are few reports about the effect of participation. As a factor, in this study, we focused "involvement in social roles" in participation and investigated the recognition of participation by therapists. The method was to conduct an interview survey and content analyze of 25 therapists who are engaged in rehabilitation services in the long-term care insurance law in prefecture A. As a result, the therapists recognized in the participation of the ICF that execution of some action, such as Hobby activity, Involvement with others, Go to a place of participation, etc. rather than "involvement in social roles" and many of them were supposed to go out. Therefore, the participation was regarded as difficult, and the importance was lowered compared to the activities of the ICF. Since the therapists have little awareness of "involvement in social roles" in ICF participation, we would like to raise their awareness by creating evaluation indicators for future participation, and would like to lead to intervention in participation. 国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health:以下,ICF)における参加は,リハビリテーション領域の重要な成果とされているが,現状,参加に踏み込むことが出来ていない.その要因として本研究では,参加において「社会的役割への関与」に重きを置き,理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(以下,セラピスト)の参加の認識を調査した.方法は,A 県内で介護保険法の訪問・通所リハビリテーションサービスに従事するセラピスト 25 名に対し,インタビュー調査を行い,内容分析を行った.結果,セラピストは ICF の参加において,「社会的役割への関与」ではなく,【趣味活動を行う】,【個人以外と関わりを持つ】,【参加の場に出向く】等,何らかの行為の遂行と認識し,これらには外出を想定されるものが多かった.これにより参加を難度の高いものと捉え,ICF の活動に比して重要度を下げていた.よって,セラピストは ICF の参加において,「社会的役割への関与」の認識が薄く,今後参加の評価指標作成を通して認識を促し,参加への介入に繋げていきたい.
著者
太田 健一
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.117, 2004

1.はじめに大雪山国立公園では,近年の登山ブームによる登山客の増加により,土壌侵食による登山道の荒廃が問題となっている.これまで,後藤(1993),渡辺・深澤(1998),沖(2001)らの研究によって登山道における土壌侵食のメカニズムや,侵食に影響を与える環境因子との関係が解明されてきた.それにより,登山道のきめ細かな維持管理の必要性が議論されるようになった(沖,2001)が,国立公園内全域に渡る登山道の現状把握調査や適切な侵食対策に関する議論はまだ行われていない.そこで本研究では,大雪山国立公園の中でも多くの登山者が利用すると思われる,旭岳,間宮岳,裾合平,沼の平,愛山渓を結ぶ登山道の侵食状況を明らかにし,適切な侵食対策について考察を行った.2.調査地と方法調査地である大雪山国立公園は,北海道の中央に位置し,総面積226,764 haにおよぶ日本最大の国立公園である.調査は2003年8月_から_9月にかけて行った.調査対象地域は,旭岳ロープウェイの終着駅がある姿見を起点として,姿見_-_旭岳山頂_-_裾合平_-_間宮岳山頂_-_沼の平_-_愛山渓を結ぶ登山道約12 _km_とした.この登山道は標高1230 mから2185 mに位置する.この登山道上のほぼ100 mおきにプロットを設置し,各プロットにおいて登山道の両側にアルミアングルを打ち込み,登山道の形状を測量した,測量は,近年,注目を浴びているデジタル写真測量を行った.これは,写真測量の応用で,_丸1_市販のデジタルカメラを用いて被写体を2方向から写しこみ,_丸2_得られたステレオ写真を三次元計測ソフトに入力し三次元座標計算を行い,_丸3_登山道の三次元モデルを作成して断面図を出力し,断面積を求める,という方法である.この測量法は,_丸1_ある区間の侵食量を体積で示せる,_丸2_高い精度が期待できるという利点がある.本研究では,多くの三次元計測ソフトの中でも最も信頼性が高いといわれている倉敷紡績株式会社製の三次元計測システムKuraves-Kを使用した.次に,現地踏査および地形図を用いて登山道が位置する斜面形を谷形斜面,平滑斜面,尾根形斜面の3タイプに区分し,さらに登山道の横断面形をその形態的特徴から平型,ガリー型,谷型,複合型の4タイプに区分した,3.結果と考察 調査の結果,AからHまでの8コース計108地点についてステレオ写真が得られた.それより,Kuraves-Kを用いて各プロットの侵食量を求めた.侵食量は,登山道の両側にあるアルミアングル同士を結んだ線を中心として,登山道の平面図上にアングル幅×1 mの方形区を想定し(図),方形区内における登山道側面の植生と裸地の境界から下の部分の体積を登山道の侵食量として算出した.その侵食量は最大で3453657.4 _cm_<sup>3</sup>(裾合平,D-10),最小で1248.6 _cm_<sup>3</sup>(沼の平,G-10)であった.B,C,Dコース(裾合平_-_間宮岳)において侵食量が大きく,A,Gコース(旭岳,沼の平)において侵食量が小さい傾向が示された.また,コースごとに登山道幅と侵食度合い(侵食量/断面積)を平均し散布図を作成したところ,F,Hコースは登山道幅が狭いにもかかわらず侵食を受ける強度が強く,B,Cコースは登山道幅が広い上にある程度の侵食を受けやすいことが示唆された.これらの登山道には早急な対応策が必要である.
著者
太田 健一 中田 昌 宮脇 冨士夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.78, no.8, pp.1196-1204, 1995-08-25
被引用文献数
1

最近, 日本の夜空が明るすぎ,「光害」と呼ばれる公害が存在することが知られてきた.夜空の光量の絶対値を測定することは, この新たな公害のレベルを知る上で重要であり,特に簡単で高精度の計測手法の開発に対する要求が大きい.本論文では,冷却CCDにカメラレンズを結合して夜空の光学画像を得て,夜空の明るさを計測する手法を提案する. この方法では,観測画像に映る個々の星の除去が必要であるが,基本星表との照合は行わない.一般的に「周囲より明るい微小像が星である」と視覚が認識することを星像モデルに置き換え,この星像モデルと合致する部分を探す. これは,星像中心となる画素を検出し,星像の裾野を検索して,星像成分の存在する画素を決定して除去するものである. この手法を実際に撮影した夜空の画像に適用し,都市夜光の量の測定について,その有効性の確認を行った. また,フィールド調査で得た画像を処理して,等光度線図作成や離れた地点の絶対値比較ができた.従来の写真濃度を測微光度計で測光する方法と比べて,本法では背景光の平均値と標準偏差などが,短時間で正確に得られた.
著者
佐久間 啓 太田 健一郎 仲澤 英憲
出版者
日本開発工学会
雑誌
開発工学 (ISSN:13437623)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.45-52, 2010 (Released:2011-11-02)
参考文献数
14

"Research and development period"is often referred in discussions about R&D management. However, their meanings and lengths vary, such as with who executes R&D activities, academy or industry, and with stages from which R&D activities start. Therefore, consistent arguments and understandings are not developed enough hitherto. In this report, 48 recent R&D success cases for 21 Japanese large enterprises are divided into 4 industry segments, automobile, heavy machinery, chemistry and electric & electronics. Then average research and development periods are derived for each industry segment. In consequence, it is clarified that research and development periods vary with the industry segment, depending on their product cycles, have strong correlations with R&D innovation patterns, and faithfully reflect new business creation strategies in each industry segment.
著者
太田 健一郎 深澤 良彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.570, pp.73-80, 2001-01-16
参考文献数
7

デザインパターンに始まるソフトウェアパターンの流れはPLoPなどの活動と共に多種多様なパターンを生み出した。しかしながら、パターンの概念がほとんど知られておらず、パターンがほとんど存在しないと考えられている分野も存在する。それらの分野では標準、規則、マニュアルなどの既存の概念を組み合わせれば十分であると考え、パターンの発掘、共有の必要性を感じていない場合も多い。しかし、これら従来の概念では解決できない領域が存在し、そこで発生する問題を解決できる候補となるのがパターンなのである。本稿ではパターン一般に関し、パターンの持つ各種の特性を分析し、その特性を従来の概念のものと比較、検討し、パターンに最も適した領域とはどこなのかを探る。
著者
太田 健一郎 石原 顕光
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.29, no.10, pp.586-591, 2008-10-10 (Released:2008-10-22)
参考文献数
28

In order to commercialize polymer electrolyte fuel cells widely, the development of a non-Pt catalyst for oxygen reduction reaction is essentially required. In this paper, the necessity of non-Pt catalysts for low temperature fuel cells and our new trials using group 4 and 5 metal compounds are explained.
著者
神谷 信行 星野 謙一 太田 健一郎
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.2, pp.140-146, 1987-02-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
19
被引用文献数
2

ヘキサクロロ白金(IV)酸(塩化白金酸)の熱分解過程をTG,DTAを用いて調べ,熱分解法で作製した白金被覆チタン電極の電極性能との関連を検討した。H2PtCl6・6H20,PtCl4・5H20の結晶および水溶液はほぼ同じ温度でPtCl2,Ptへと熱分解し,それぞれの生成する温度は330,530℃ であった。これに対してブチルアルコール(n-BuOH)を溶媒として熱分解を行なうと約400℃ でPtまで還元される。H2PtCl6のn-BuOH溶液をチタン基体に塗布,熱分解する方法により,低温(300℃)でも粗度係数の大きな電極をつくることができるが,高温で焼成するほど粗度係数は小さくなった。白金とチタン基体との接合部の焼結,露出したチタン表面の封孔処理の程度は焼成温度が高いほどよく,高温処理の方が耐久性はよい。n-BuOHのほかにも種々の有機化合物を使い熱分解を調べた結果,Pt(II)に有機物が配位した状態(錯体)を経て酸化還元が進みやすくなり低温でPtoまで分解されるものと思われる。
著者
高寺 政行 大谷 毅 森川 英明 乾 滋 南澤 孝太 佐藤 哲也 鋤柄 佐千子 大塚 美智子 金 キョンオク 宮武 恵子 松村 嘉之 鈴木 明 韓 載香 柳田 佳子 古川 貴雄 石川 智治 西松 豊典 矢野 海児 松本 陽一 徃住 彰文 濱田 州博 上條 正義 金井 博幸 坂口 明男 森川 陽 池田 和子 鈴木 美和子 北折 貴子 鄭 永娥 藤本 隆宏 正田 康博 山村 貴敬 高橋 正人 中嶋 正之 太田 健一 堀場 洋輔
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

我が国ファッション事業の国際化に寄与する研究を目指し,国際ファッション市場に対応する繊維工学的課題の解決,国際ファッション市場に通用するTPS/テキスタイル提案システムの構築を行った.国際市場に実績ある事業者を対象とし,現場の調査,衣服製作実験,商品の評価を行い我が国との比較を行った.欧州・中国と日本における衣服・テキスタイル設計,評価および事業の違いを明らかにし,事業と技術の課題を明らかにした.デザイナーのテキスタイル選択要件を調査し,テキスタイルの分類法,感性評価値を組み込みTPSを構築した.日欧で評価実験を行い有効性を確認した.また,衣服・テキスタイル設計評価支援の技術的知見を得た.
著者
太田 健一郎 石原 顕光
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.170, 2005 (Released:2005-11-24)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1
著者
太田 健一郎
出版者
横浜国立大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1985

溶融炭酸塩燃料電池は第二世代燃料電池として注目され、我国においては通産省におけるムーンライト計画等で精力的な開発が進められている。ここでは高温,溶融塩という厳しい条件下での各種材料の劣化が問題であるが、特にカソードとして用いられている酸化ニッケルの溶解,アノード近傍での析出が電池の長期運転の大きな障害となっている。本研究ではまず現在用いられている酸化ニッケルの溶融炭酸塩中への溶解度を測定した。リチウム一カリウム二元系炭酸塩中への酸化ニッケルの溶解度は650℃、二酸化炭素1気圧下で40×【10^(-6)】(モル分率)であり、高温ほど溶解度は小さくなった。また、二酸化炭素分圧が大きくなると、溶解度は比例して増大した。これらは酸化ニッケルが溶融炭酸塩中へ酸性溶解しているとして説明できた。酸化ニッケルの安定性を向上させるために、他の元素を添加することを試みた。添加元素としては酸化鉄を選び、これと酸化ニッケルの固溶体であるニッケルフェライト(Ncx【Fe^(3-x)】【O^4】)に注目した。このニッケルフェライト中の鉄、ならびにニッケルの溶解度は純酸化ニッケルに比べてかなり小さく、リチウム一カリウム二元系炭酸塩中、650℃、二酸化炭素分圧一気圧下で、いずれも2〜2.5×【10^(-6)】(モル分率)と15分の1ないしは20分の1の値を得た。二酸化炭素分圧が大きくなると溶解度は増大するが、圧力に対する依存性は酸化ニッケルより小さく、溶融炭酸塩燃料電池の作動条件下ではカソード材としてのかなりの安定性の向上が期待できる。以上より、酸化ニッケルを単独で用いるよりは、これに他の元素を添加することにより、炭酸塩中での溶解度は減少し、溶融炭酸塩燃料電池のカソード材料としての安定性が向上する例のあることが判った。
著者
中田 昌 太田 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

最近,日本の都市の夜空がとても明るく,人工光が夜空を明るくする「光害」の存在が知られてきた.天文観測の障害となるほか,作物の異常成長や動物の行動異常の原因となるとの指摘もある.夜空の光量の絶対値を測定することは,この新たな光害のレベルを知る上で重要で,特に簡単で高精度の測定手法の開発が求められている.ここでは,冷却CCDにカメラレンズを結合して,夜空の光学画像を得て夜空の明るさを計測する手法を提案する.