著者
薬袋 秀樹
出版者
日本図書館学会
雑誌
図書館学会年報 (ISSN:00409650)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.145-158, 1986-12 (Released:2013-12-25)
著者
薬袋 秀樹 ミナイ ヒデキ Minai Hideki
出版者
日本図書館学会
雑誌
図書館学会年報 (ISSN:00409650)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.145-160, 1997-12

現在, 地方分権推進委員会は, 地方分権, 規制緩和の観点から, 地方自治体における様々な専門職員の必置規制の廃止や見直しを勧告している。国から補助金を受ける公立図書館には, 館長が司書資格を持つこと, 一定人数の司書及び司書補を配置することが義務づけられているが, この2点の廃止が勧告されている。本稿では, 必置規制の定義, 評価, 成立条件を明らがにし, 現在の司書の制度がその成立条件を満たしているかどうかを検討した。その結果, 次の4点が明らかになった。(1) 地方では司書の養成・資格取得の機会が不十分である。(2) 司書資格の学歴要件と取得方法が柔軟性に欠ける。(3) 司書の配置は小規模自治体にも義務づけられている。(4) 司書の力量の客観的評価は行われておらず, 教育内容が不明確である。これらをもとに, 司書資格の取得方法, 司書の力量の評価, 図書館学教育, 司書の人事管理等について,そのあり方を論じた。
著者
薬袋 秀樹
出版者
日本図書館学会
雑誌
図書館学会年報 (ISSN:00409650)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.63-78, 1997-06

図書館法弟4条,弟5条,第13条は公立図書館の専門的職員の職務,資格,配置について規定している。本稿の目的は,これらの条文の趣旨と問題占lを,関係文献の検討と学芸員,社会教育王事等との比較によって明らかにすることてある。結果として次の5占が明らかになった。巾司書・司書補の職務内容,等級と職務分担,資格の要件と取得方法,配置のいすれの 点にも不十分な点が見られる。(2)資格取得に必要な学歴水準が低いにもかかわらす,取得方法が弾力性に欠ける。(3)判断を要しない職務を担当する職員に関する有効な規定がない。(4)重要な文書てある「司書およひ司書袖の職務内容」が取り上けられてこなかった。(5)社会教育主事,学芸員等の他の専門的職員との比較が行われてこなかった。
著者
薬袋 秀樹
出版者
日本図書館学会
雑誌
図書館学会年報 (ISSN:00409650)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.158-176, 1993-12

市町村立図書館の設置を進めるには都道府県教育委員会による積極的な図書館振興策がきわめて重要である。本稿の目的は、都道府県教育委員会による市町村立図書館振興策の根拠法令が戦後期にどのように形成されてきたのかを明らかにすることである。本稿では、1950年制定の図書館法第7条、1956年制定の地方教育行政の組織及び運営に関する法律第48条、1967年改正の社会教育法第6条第1号の制定・改正の経過と条文の解釈を検討した。 これらの検討から次の点が明らかになった。図書館法第7条のもとでは、都道府県教育委員会は実質的な効力のある指導・助言を積極的に提供することはできず、「求めに応じて」「専門的技術的」指導・助言を与えることができるのみであった。都道府県教育委員会による積極的かつ全般的な指導・助言は、1956年の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の制定と1967年の社会教育法第6条第1号の改正によって可能になったのである。