- 著者
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宮本 忠吉
上田 真也
中原 英博
- 出版者
- 森ノ宮医療大学
- 雑誌
- 挑戦的萌芽研究
- 巻号頁・発行日
- 2016-04-01
本研究の目的は、高次脳機構を介した循環制御の生理学的意義を明らかにすることであった。実験の結果、運動準備期における呼吸循環応答の量的・時間的動態は、その後に実施される運動の負荷強度に依存して予測的・見込み的に変化すること、また、運動予測なく突然、運動を開始させると、予測がある場合と比較して、強度依存性に呼吸循環系応答のダイナミクスに変化が生じることが判明した。以上より、高位中枢による予測的・見込み的な呼吸循環制御は、生体へ加わる短時間高負荷運動に対する生理学的ストレスを軽減し作業効率の改善に役立っていることや、学習や記憶といった高次脳神経機構の生体恒常性に果たす役割の重要性が示された。