著者
柏女 霊峰 Reiho Kashiwame
出版者
淑徳大学大学院総合福祉研究科
雑誌
淑徳大学大学院総合福祉研究科研究紀要 (ISSN:18807755)
巻号頁・発行日
no.24, pp.1-24, 2017

本稿においては,まず,子ども家庭福祉における地域子育て家庭支援の定義を定め,その背景として確認すべき子どもの発達や保護者の育児環境について考察した。そのうえで,地域子育て家庭支援政策の経緯を振り返り,その意義について述べた。また,地域子育て家庭支援の理念と原理について整理し,最後に,今後の方向として,子ども家庭福祉分野における地域包括的・継続的支援の実現と深く関わる支援であると述べた。
著者
佐藤 俊一 Shunichi Sato
出版者
淑徳大学大学院総合福祉研究科
雑誌
淑徳大学大学院総合福祉研究科研究紀要 (ISSN:18807755)
巻号頁・発行日
no.27, pp.1-14, 2020

この小論は,ソーシャルワーカーの倫理の根源的課題を明らかにしようとするものであるが,同時に,それは現代の対人にかかわる専門職の共通する倫理課題となる。なぜなら,倫理とは,ある領域の専門職の行動規範ではなく良心の問題となるからである。この度改訂されたソーシャルワーカー倫理綱領の前文における3つのキイワーズ,人間としての尊厳,価値ある存在,平等の理解について,自明とされている考えを現象学の視点から明らかにし,ソーシャルワーカーが実践できるようにすることを試みている。続いて原理に示されている人間の尊厳と多様性の尊重,集団的責任,スピリチュアルな側面の実現のために人間の基本的な理解,個人と社会の両立する関係を検討し,根源的課題に取り組むためには,スピリチュアリティの覚醒がソーシャルワークの支援に必要となることを論じている。This essay attempts to clarify the fundamental ethical issues in social work, which can become common ethical concerns for modern interpersonal professions. This is because ethics is a matter of conscience, rather than a code of conduct for professionals in a certain field.This essay will address from the phenomenological perspective the three keywords explicated in the preamble to the revised Social Worker Code of Ethics — concerning human dignity, the existence of value, and understanding of equality — and attempt to shape them into implementable ideas for social workers. We examine to realize human dignity and respect for diversities, collective responsibility, spiritual aspect as shown in the principles by considering basic human understanding, coexisting personal and societal relationships and argue that the awakening of spirituality is necessary to support social work for addressing fundamental issues.