- 著者
-
中村 稔
小森 敦正
石橋 大海
- 出版者
- 独立行政法人国立病院機構長崎医療センター
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2008
原発性胆汁性肝硬変(PBC)の新しい病型分類と長期予後診断法の確立のために、全国のPBC症例を対象として、血清自己抗体の測定、HLA-DRB1 typing、免疫関連分子や胆汁酸代謝に関連した遺伝子多型の解析を行った。PBC発症の危険因子としてHLA-DRB1*0803、CTLA4 SNPs、門脈圧亢進症進行の危険因子として抗gp210抗体、抗セントロメア抗体、CTLA4 SNPs、HLA-DRB1*1502と*0901、 肝不全進行のバイオマーカーとして抗gp210抗体、MDR3やintegrin・VのSNPsなどが同定された。これらの中で特に抗gp210抗体の肝不全進行への相対危険度は30倍と高く、抗gp210抗体をバイオマーカーとして用いたPBCの治療が可能となった。また、遺伝子レベルからも、PBCを抗gp210抗体陽性型の進行と抗セントロメア抗体陽性型の進行に分類することの妥当性が示唆された。