著者
高村 昇 林田 直美 松田 尚樹 中島 正洋
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

チェルノブイリ事故後、小児甲状腺がんが激増したが、甲状腺がんと甲状腺結節との発生頻度には地域ごとに強い相関があることも示された。そこで我々は、ジトミール州において、事故後のスクリーニングで甲状腺結節を指摘された住民(結節群)と、甲状腺異常を指摘されていない住民を対照群として追跡スクリーニングを行い、甲状腺結節の長期的予後についての臨床疫学研究を行った。その結果結節群では結節数、径ともに有意に増加していたのに対し、対照群では結節の発生は認められなかった。細胞診での悪性は結節群の3例のみであったが、悪性の可能性が否定できない判定困難例を併せるとその割合は対照群より有意に高かった。
著者
林田 直美 高村 昇 鈴木 眞一 南 恵樹
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

福島県では、福島第一原子力発電所事故後、小児を対象とした甲状腺超音波検査が行われている。この検査では、約半数の小児で小さな結節やのう胞が認められているが、小児における甲状腺所見の頻度についての報告はないため、日本人一般における甲状腺超音波検査を行った。その結果、対象者の約半数に甲状腺のう胞が認められ、結節は0.7%にみられ、福島県と同様の頻度であった。成人での調査では、これより多い頻度で結節を認めた。甲状腺を4年間観察したところ、大半の小児でのう胞の有無や大きさが変化することがわかった。
著者
高村 昇 松田 尚樹 林田 直美 中島 正洋 折田 真紀子 柴田 義貞
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故では、放射性ヨウ素の内部被ばくによる甲状腺がんの増加が認められたが、それ以外の疾患については増加が認められていない。一方2011年の福島第一原子力発電所事故後、初期の食品管理によって内部被ばくの低減化が図られたものの、住民の間には放射性ヨウ素や放射性セシウムの内部被ばくによる健康影響への懸念が広がった。今後甲状腺がんのみならず、甲状腺の良性疾患に対する不安が広がることも予想される。そこで本研究では、チェルノブイリにおける放射性ヨウ素の内部被ばくによる甲状腺良性疾患の増加があるかどうかについて、疫学研究を行った。
著者
小林 慎一朗 南 恵樹 崎村 千香 山之内 孝彰 林田 直美 江口 晋
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.23-26, 2013-01-25
参考文献数
12

乳房切除後疼痛症候群(PMPS)とは乳癌術後の神経障害性疼痛である.今回われわれはPMPSに対してプレガバリン(PGB)を投与し著効した2症例を報告する.症例1は52歳女性,2008年6月に前医で両側乳癌に対して右腋窩郭清および左乳房部分切除,センチネルリンパ節生検施行した.術直後より左胸部痛を認め,下着など接触時に痛みを感じていた.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)投与も症状は持続した.その後当科に紹介受診となり,疼痛外来に紹介,PGB投与開始後,症状は著明に改善した.症例2は82歳女性,2011年3月に当科で左乳癌に対して左乳房切除術および腋窩郭清を施行.術後1カ月後から創部痛増悪し,疼痛で不眠の状態であった.NSAIDs投与も軽減傾向なく,疼痛外来に紹介,PGB投与開始後,症状は著明に改善した.PMPSに対し,PGB投与は症状緩和の効果がある可能性が示唆された.
著者
前田 茂人 林田 直美 メイルマノフ セリック 清水 一雄 兼松 隆之 林 徳真吉
出版者
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

2007年から2009年の3年間にかけて、セミパラチンスク(カザフスタン)の核実験場近くのセミパラチンスクがんセンターおよびセミパラチンスク医科大学にて、甲状腺癌および乳癌に対する外科的医療支援を行った。同地域では、1949年から1989年まで489回にもわたる核実験が行われており、2009年は核実験が閉鎖されて20年となる年である。甲状腺癌および乳癌の標準的診断および外科治療が施行されるように、インターネット教育および現地での実践を行った。特に甲状腺癌外科治療おいては、頸部リンパ節郭清の概念および手技の導入が現地外科医になされたと考えられた。