著者
記虎 優子
出版者
環境技術学会/環境技術編集委員会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.812-820, 2005-11-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
27

従来, 会計学の研究領域において, 投資家以外のステークホルダーが, 企業の情報開示の情報利用者として明示的に取り上げられて考察されることは, あまりなかった.しかし, 最近では, 企業の経済的側面だけでなく社会的側面や環境的側面に関する情報を企業が自発的に開示する動きが広がっていることを受けて, 投資家以外のステークホルダーに対する関心が, 会計学の研究領域においても高まっている.そこで, 本稿では, 経営学の研究領域におけるステークホルダー研究を援用して, ステークホルダー概念とその類型化のアプローチについて検討することを試みている.そして, ステークホルダーの類型化が, 類型化された各グループの情報ニーズに応じて, 企業の情報開示において開示される情報内容を改善することに資することを指摘し, 今後の課題として, ステークホルダー研究の研究成果を会計学の研究領域に積極的に援用することの必要性を主張している.
著者
木村 隆一 片岡 昇 水谷 博
出版者
環境技術学会/環境技術編集委員会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.359-366, 1991-06-30 (Released:2010-03-18)
参考文献数
7

大阪国際空港において, 気象条件や路線長による航空機の離陸滑走距離の変動を調査した.滑走距離は気温, 滑走路方向のベクトル風, 路線長などの影響を受けると考えられることから, それらの関係について重回帰分析をおこなった.その結果, どの機種の場合でも滑走距離とそれらの要因との間に高い相関があることが明らかになった.つぎに, 離陸後の飛行コース (フライトトラック, 高度) や騒音レベルについて空港北部で測定し, 滑走距離や気象などの変動がそれらに及ぼす影響についても調査した.飛行コースや騒音レベルを説明するための変数として, 滑走距離気温, 風向, 風速および路線長を選んで重回帰分析をおこない予測モデルを作成した.これらのモデルを使えば, 任意の気象条件における滑走, 離陸, 上昇プロファイルが得られ, 航空機騒音コンター図の作成に役立つことを確認した.最後に, 米国FAAのIntegrated Noise Modelに登録されている飛行プロファイルと実測のプロファイルを比較した結果, 標準的な気象条件では, 国内便の上昇プロファイルが良く一致した.