著者
外池 智 TONOIKE Satoshi
出版者
秋田大学教育文化学部附属教職高度化センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 (ISSN:24328871)
巻号頁・発行日
no.44, pp.1-13, 2022-03-31

「本研究の目的」も含めて,以下本稿の概要を述べる.本研究は,2009(平成21)年 度から推進している戦争遺跡に関する研究1,2012(平成24)年度から推進している戦争 体験の「語り」の継承に関する研究2,2015(平成27)年度から推進している継承的アー カイブを活用した「次世代の平和教育」の展開に関する研究3 の継続研究であり,さらに 2018(平成30)年度から取り組んでいる地域の継承的アーカイブと学習材としての活用に 関する研究4 の一端を発表するものである. 戦後76年の歳月が経ち,戦争体験を語れる終戦時の年齢を仮に10歳とすれば,もはやそ の人口は全人口の5 %以下となった.こうした状況の中,あの貴重な体験や記憶を残し, 継承していこうとする試みが続いている.また教育現場においても,直接的な戦争体験の 「語り」ではなく,そうした継承的アーカイブを活用したいわば「次世代の平和教育5」と 呼ぶべき実践が次々と展開されている. こうした状況を踏まえ,本稿では,戦争遺物の学習材としての活用,そして戦争体験の「語 り」の継承について,特に今回は東京都の昭和館に注目し,昭和館の学校教育に関わる事 業や「語り部」養成事業,そして昭和館を活用した地元小学校における教育実践を取り上 げ検討したい.his study is based on research on war ruins that have been promoted since 2009, on the succession of "narratives" of war experiences that have been promoted since 2012, and from 2015. This is a continuing study on the development of "nextgeneration peace education" utilizing the inherited archives, and presents a part of the research on the use of "next-generation peace education" as an inherited archive and learning material in the region that we have been working on since 2018. After 74 years of the war, if the age at the end of the war, which can be talked about the war experience, is 10 years old, the population is no longer about 8% of the total population. In this situation, attempts to preserve those precious experiences and memories and try to inherit them continue. In addition, in the educational field, rather than the "story" of the direct war experience, so to speak, the practice to be called "the next generation of peace education" utilizing such an inherited archive is being developed one after another. In light of this situation, this paper will focus on the use of war relics as a learning material and the succession of "storytelling" of war experiences, and this time I would like to focus on Showakan in Tokyo, and take up and examine the school education-related business of Showakan, the "storytelling department" training project, and the educational practice at local elementary schools using Showakan.
著者
外池 智 TONOIKE Satoshi
出版者
秋田大学教育文化学部附属教職高度化センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 Bulletin of the Center for Educational Research and Practice, Faculty of Education and Human Studies, Akita University (ISSN:24328871)
巻号頁・発行日
no.42, pp.1-13, 2020

「本研究の目的」に代えて,以下本稿の概要を述べる.本研究は,2009(平成21)年度から推進している戦争遺跡に関する研究1,2012(平成24)年度から推進している戦争体験の「語り」の継承に関する研究2,2015(平成27)年度から取り組んでいる継承的アーカイブを活用した「次世代の平和教育」の展開に関する研究3の継続研究であり,さらに2018(平成30)年度から取り組んでいる地域の継承的アーカイブと学習材としての活用に関する研究4の一端を発表するものである. 戦後74年の歳月が経ち,戦争体験を語れる終戦時の年齢を仮に10歳とすれば,もはやその人口は全人口の5 %以下となった.こうした状況の中,あの貴重な体験や記憶を残し,継承していこうとする試みが続いている.また教育現場においても,直接的な戦争体験の「語り」ではなく,そうした継承的アーカイブを活用したいわば「次世代の平和教育5」と呼ぶべき実践が次々と展開されている. こうした状況を踏まえ,本稿では,戦争遺跡の学習材としての活用について,特に今回は館山市の事例を取り上げたい.