著者
金子 充
出版者
立正大学社会福祉学会
雑誌
立正社会福祉研究 (ISSN:13454609)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.19-30, 2007-09

ホームレス(野宿者)が抱えているニーズは,これまで必ずしも十分に理解されてこなかった.彼らのニーズは,生命の危機にかかわる緊急なものから,慢性的な栄養不足や脱水状態,慢性疾患や感染症,精神疾患,意欲喪失,住居や居場所の喪失,長期失業,多重債務,家族不和,社会的排除など,複雑かつ多岐に渡る.こうしたホームレスに対する自立支援の取り組みとして,ホームレス自立支援法を基盤とする各種自立支援事業が展開されてきた.路上における相談事業,緊急一時保護施設や自立支援センターにおける自立支援,NPO等による宿泊所やグループホームの取り組み,そしてアフターケアなど,ホームレス自立支援のメニューは豊富になり,さまざまな工夫がなされている.だが,そのなかで,ホームレスの生活支援や自立支援にかかわるソーシャルワーカーの仕事の意義や専門性が強調されたり,当事者のニーズをふまえたソーシャルワーカーの援助技術(価値・知識・技術)が蓄積されたり,体系化されることはほとんどないままである.「ホームレス自立支援ソーシャルワーク」の意義を明らかにし,ホームレスが抱えるニーズを確認しながら,ホームレスにかかわるソーシャルワーカーの活動内容と技術の中身を体系化していかなければならない.原著論文
著者
佐々木 由美子
出版者
立正大学社会福祉学会
雑誌
立正社会福祉研究 (ISSN:13454609)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.21-26, 2013-10

1990年代に,ニューカマーと呼ばれる外国人が多数来日し,その子どもたちを巡る保育に関する研究が始まってから20余年が経過した.そして多くの外国籍児童が我が国で成長し,中には日本の保育士資格を取得して,保育の現場で活躍している人が存在する.本研究では,外国人人口比率が多いことで知られている群馬県大泉町に所在する保育園を調査対象とし,そこに子どもを通園させている外国籍保護者へのインタビューを通して,家庭での言語コミュニケーションについて,および多文化共生保育に関わる外国籍保育士の役割について検討した.その結果,外国籍保護者は,わが子の保育園における日本文化・日本語の獲得を歓迎する一方で,家庭では母国文化を継承し,母語でのコミュニケーションを行っていることが確認された.また,外国籍保育士が保育園に勤務することで,外国籍保護者が自分の意見を母語で伝えることが可能になるとともに,情報伝達への不安が解消されたことが明らかになった.原著論文
著者
高野 彩子
出版者
立正大学社会福祉学会
雑誌
立正社会福祉研究 (ISSN:13454609)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.53-60, 2008-03
被引用文献数
1