著者
西川祐信 画
出版者
菊屋喜兵衛
巻号頁・発行日
1740

西川祐信画の徒然草絵本。大本3巻合1冊。元文5年(1740)正月、京都・菊屋喜兵衛版。絵師等署名「皇都画工 文華堂西川祐信」「彫工 洛陽かい川 山本喜兵衛」。奥目録「謡曲画誌」以下43点の広告。元文3年(1738)冬の祐信の序に「よつて三巻となして其儘絵本徒然艸と名づけ、かの詞のはし/\書ちらして梓になす」とあり、見開きごとにゆったりと1図を配し、余白に『徒然草』の本文を簡略化して書き入れる。『徒然草』の絵入り本が少なくない中、通常の体裁を逆転させ、絵を主、文を従にしたもの。文の書体も美しい。また序に「無下にいやしき今様の絵なれば、かいやり捨べきことにて、人の見るべくもあらずと独翫びぬるを、菊秀軒の主ひたすらに求めて」云々とあるが、絵風における王朝風と当世風は半々ほどで、王朝風の絵は古風に努めており、土佐派の絵巻などに学んだ跡が窺われる。(鈴木淳)(2016.2)
著者
中村三近子 校
出版者
菊屋喜兵衛
巻号頁・発行日
1734
著者
其磧
出版者
菊屋喜兵衛
巻号頁・発行日
1730
著者
西川自得叟祐信 畫圖
出版者
菊屋喜兵衛
巻号頁・発行日
1750

西川祐信画、通俗教訓絵本。大本3巻合1冊。寛延3年(1750)正月、京都・菊屋喜兵衛版。墨摺り。序文中に、「絵本つれ/\草世にひろまりぬるとて又も書林の需しきりなれば」云々と、前作『絵本徒然草』の好評を当て込んだ書林の求めによって執筆した由をいう。題簽の下部に「徒然草/後篇」の割書の存する本もある。書名(上巻題簽)の「垣衣艸」の用字は、『和名抄』に「垣衣 之乃布久佐」と見える。『徒然草』から本文を抄出して見開きの上方に置き、それに取材した絵と組み合わせるという体裁で、文章の占める比重が、一般的な絵本より大きい。絵は、本文に合わせながら、中世の絵巻に見られるような貴賤男女の風俗をよく学んでいる。当館所蔵のもう一本(請求記号:か-50)は、菱屋治兵衛による求板本で、下巻末の2丁を欠く。(鈴木淳)
著者
西川祐信 画
出版者
菊屋喜兵衛
巻号頁・発行日
1736

西川祐信画。女性風俗絵本。半紙本3巻合1冊。享保21年(1736)正月、京都・菊屋喜兵衛板。紅絵。丁付に「葛上」「葛下」「葛後」とあることを勘案すると、上下2巻、後編1巻という構成である。元来は2冊本であったので、すべて3巻本から構成される『絵本倭文庫』に収める際の修訂増補かといわれる。序に「業平の昔をおもふより筆を染て、春の花に艶なる粧、夏は若葉の蓁々たる風俗、秋の月のまはゆき面影、雪の肌の素を後にして書集ぬる」と、作画動機を述べる。上巻はじめに詞書きを伴った伊勢物語絵4図を置き、以下、老若貴賤の当世風女性の四季折々の風俗図を、詞書きのない絵だけで収める。菊見、訪問、茶屋遊び、花火、入浴、雨の他行、田舎遊行、遊里、揚屋、遊戯、色子と幅広く取り上げており、とくに後編に多い、色子の図は特筆すべきであろう。(鈴木淳)