著者
梅谷 陽二 黄 声揚 山田 陽滋
出版者
豊田工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

本研究は,把持部に滑りセンサーを持つ自由移動型の作業用宇宙ロボットによって,外力駆動されていない慣性運動中の対象物体をできる限り非衝撃的に把持する方法を研究することを目的としている.まず,平成7年度では,掌中に囲い込んだ物体を出来るかぎり非衝撃的に把持するプロセスを考察した.すなわち,各指関節に等分に衝撃力や回転運動量の負荷が分散されるようなマニピュレータ・コンフィギュレーションを,仮想質量の概念と各関節に誘起される関節加速度の仮想ロータ慣性を導入することによって求めた.このような力学を用いて,各関節に等分に衝撃負荷が分散されるようなマニピュレータ・コンフィギュレーションの理論的に求めた.つぎに,回転運動検出用すべりセンサーを開発し,いくつかのプロトタイプを製作した.平成8年度は,まず既設の空気浮上ベッドを用いて2次元モデルによる総合的な実験を行なった.また,回転運動検出用すべりセンサーの試作も行なった.衝撃を緩和するための把持方法は,把握される物体が多くの指に囲まれ衝突を繰り返しながら次第に把持される,と言うプロセスである.しかし実際に把握できる対象物体はおそらく並進速度や回転速度き小さいものに限られるだろうと思われる.次に,回転検出用の滑りセンサーの開発は順調に行なわれた.この種の触覚センサーの共通的な課題は,どのような滑り感覚を知覚するのか,検出感度とレンジをどれほど要求するのか,そしてライフはどうか,である.宇宙用のセンサーでは,ライフは重要であるが本研究では未着手に終わった.しかし回転滑り用の十分な感度を持ったセンサは開発できた.
著者
原 大介
出版者
豊田工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日本には「中間型手話」呼ばれるタイプの手話があり、一般的には日本手話と日本語対応手話の文法が混ざり合ったものであると言われるが、明確な「混合」は確認できなかった。聴者が使う中間型手話は、音声日本語のフットをリズムの単位として利用する傾向がある。語表出の時間は日本手話よりも30%超長い傾向にあった。取扱い分類辞と道具分類辞の使用比率においては、聴者の中間型手話は、日本手話や手話を知らない日本語話者のジェスチャーにおける使用比率と有意に異なっており物品のどの側面に着目しCLとして表現するかに独自性が見られた。ろう者が使用する中間型手話は、表出方法は簡略されるが日本手話文法に依存する傾向が強かった。
著者
松田 忠典
出版者
豊田工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究の成果は、大きく分けて二つある。一つが、構造化特異値の計算法に関する成果、もう一つがロバスト安定な行列システム設計に関する成果である。2009年度は、これらの研究成果を大阪市で行われた国内学会「第38回制御理論シンポジウム」と米国で行われた国際会議「The Twelfth IASTED International Conference on Intelligent Systems and Control」で発表した。2010年度は、台湾・台北市で行われた国際会議「SICE2010 Annual Conference」、台湾・台中市の国立中興大学で行われたワークショップ「Workshop on Recent Advances in Control and Robotics」、そして大阪市で行われた国内学会「第39回制御理論シンポジウム」で成果発表を行った。さらに、構造化特異値の計算法に関する成果についての査読付き学術論文が2010年12月に「システム制御情報学会論文誌」に掲載された。