著者
坂本 正夫
出版者
飯田市美術博物館
雑誌
伊那谷自然史論集 (ISSN:13453483)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.7-13, 2017 (Released:2019-06-05)

天竜川の支流に遠山川水系があり,伊那山地の尾根から赤石山脈の尾根までの天水を集めている.この水系には,領家帯や三波川帯,秩父帯,四万十帯,赤石構造帯があり変化に富む地質が分布している.遠山川水系では,これらの地質帯が侵食され,地質帯を特徴づける土砂が排出されている.その土砂に含まれる鉄分量に着目し,遠山川とその各支流から排出される鉄分量が水系を流下するに連れてどのように変化するかを調査した.また,鉄分量の変化を特徴づけることができるように,地質の違いが際立つように砂の採取地点を選定して鉄分量の測定を行った.それらの結果をについて報告する.