著者
谷口 泰富 中丸 茂 東海林 義信 迎 隆
出版者
駒澤大学文学部社会学科研究室
雑誌
駒澤社会学研究 = Komazawa journal of sociology (ISSN:03899918)
巻号頁・発行日
no.21, pp.p23-34, 1989-03
被引用文献数
1

本研究は,視覚Vigilance課題におけるPerformanceの変動と生理学的指標との関係について検討した。被験者は,本学心理学専攻の学部生14名であった。結果,正反応数とSPLの間に負の相関が認められ,時間経過に伴いα波の増加が観察された。一方,心拍数,呼吸数の減少傾向が認められた。全体的には,Performanceの低下が覚醒水準の低下と平行関係にあると思われる資料が提供されたものの,詳細に検討するとPerformanceの変動様式と各指標の変動様式は必ずしも一義的に対応しているとはいいきれない側面がある。したがって,指標によって反映される要因が異なっているのではないかと思われる。さらに,個人差,生体リズムおよび指標の感受性の問題も指摘された。

1 0 0 0 IR 態度と随伴性

著者
中丸 茂
出版者
駒澤大学文学部社会学科研究室
雑誌
駒沢社会学研究 (ISSN:03899918)
巻号頁・発行日
no.29, pp.103-119, 1997-03

本論文は、態度について随伴性の観点より考察することにより、社会心理学と行動分析学が一つのパラダイムを共有することの有効性を提唱するものである。態度は、社会心理学において、潜在的な説明変量として取り扱われるが、その測定には質問紙法や評定尺度法が用いられることが多く、ゆえに、測定されたデータは言語行動である。社会心理学では、そこで得られた言語行動が態度を表すものとし、行動の理解・説明・予測に使用される。測定データである言語行動を態度(言語行動としての態度=態度行動)として取り扱うことにより、態度を他の言語行動と同様に、タクト、マンド、イントラバーバル、エコーイック、オートクリティックに分類可能であり、これらの観点からの新たなる研究テーマが導かれるであろう。また、態度行動は、随伴性形成行動の目的行動として、そして、ルール支配行動のルールとして取り扱うことが出来る。随伴性の観点から態度を研究することにより、社会心理学の知見を行動分析学においても共有することが可能になり、さらに、心理学における態度の研究テーマを拡げていくことが可能性となる。