著者
Hiroshi NISHIOKA Hirofumi KODERA
出版者
Society of Environmental Conservation Engineering
雑誌
Journal of Environmental Conservation Engineering (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.301-305, 2005-04-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
8
被引用文献数
1

シダ植物の重金属含有量を調べるために, 兵庫県内7地域に自生するシダ133試料を採取した.蛍光X線分析法および原子吸光分析法を用いて測定した結果, 以下の事実を得た.1) ウラジロ科のコシダやウラジロはいずれもマンガンについて比較的高いX線強度が得られた.2) S1地域において採取したシシガシラには数千ppmの鉛が含有されていた.3) シシガシラにおける鉛含有量は根茎, 根および葉身の順に高かった.
著者
津野 洋 張 鶴清 坂本 昌則 山田 春美
出版者
Society of Environmental Conservation Engineering
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.111-119, 2009

エストロゲン様活性を波長405nmにおける発色強度で測定するNRL/TIF2-BAPアッセイはフミン質系着色試水についても適用できると考え,その再現性ならびに適用性の評価を試みた.また種々の下水処理工程水や汚泥サンプルについてGC-MSから得られた結果と比較検討を試み,以下の知見を得た.<br> 1)E1がE2の1.6倍,E3がE2の2.7倍も感度が高く,BPAに関しても他の方法より活性値が2桁高く,NPは同程度であり,本法は感度の高い方法である.<br> 2)下水一次処理水および二次処理水のE2添加回収率は60%以上で,変動係数は20%以内であった.<br> 3)GC/MSによる測定値と高い相関性が確認され,フミン質系着色試水や汚泥に対しても適用可能であること,およびオゾン処理の評価においては安全側の指標として有用であることが示された.<br> 環境水における生態系への影響が合成物質に比べ天然エストロゲンが寄与していることを考えると,NRL/TIF2-BAPアッセイは安全側の水処理指標になると考えられる.
著者
藤長 愛一郎 大脇 遼 諸澤 正樹 渡邊 信吾 松下 稔
出版者
Society of Environmental Conservation Engineering
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.172-179, 2014

2009年に世界中で流行した新型インフルエンザA(H1N1)を対象に,発病する可能性のある感受性者<i>S</i>,保菌者<i>E</i>,発病者<i>I</i>,免疫保持者<i>R</i>へといたるSEIRSモデルを作成した.そして,特定の学校内など局所的,地域的な傾向を予測できる方法として,発病者と接触し感染する人の行動を確率的に捉えてシミュレーションする「動的解析」を行った.この解析結果を微分方程式の数値解と比較し,動的解析の有効性を確認後,現実社会への応用として,学級・学年閉鎖の効果を検討した.