著者
永塚 守 清水 康敬
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J76-A, no.9, pp.1351-1358, 1993-09-25

本研究では,生体情報による教育用の映像ソフトウェアなどの客観的評価を行うことを目指し,CRTを使って視覚刺激を提示しながら瞳孔面積と脳波を同時に測定して,それらの変化を調べた.この同時測定を行うために,まず,CRTから脳波測定へのノイズの混入を防ぐ目的で,室外のCRTから被験者に刺激提示できるよう,光透過性のあるシールドガラスを使った特殊なシールドルームを設計し,その効果を確認した.また,瞳孔面積測定装置を装着することによる脳波測定への影響を明らかにした.次に,被験者に対して,平均輝度を一定に調整した意味のある静止画パターンを提示しながら瞳孔面積と脳波の同時測定を行ったところ,頭頂部の脳波の9.0-11.0Hzの帯域パワーと瞳孔面積の間に負の相関関係が見られた.また,被験者の興味が強いパターン提示時のデータは,瞳孔面積が大きく,帯域パワーが小さい位置に集中することがわかった.以上から,同時測定を行うことで,提示パターンの内容の違いを,より的確に区別できる可能性を示した.

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