著者
宇都 雅輝 植野 真臣
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J98-D, no.1, pp.3-16, 2015-01-01

近年,構成主義における学習評価法としてピアアセスメントが注目されている.ピアアセスメントでは,評価の信頼性が評価者の特性に依存する問題が指摘されている.この問題を解決するアプローチの一つとして,評価者の特性を表すパラメータを付加した項目反応理論が提案されてきた.しかし,ピアアセスメントでは,評価者数が学習者数と同程度まで増加するため,パラメータ数に対してデータ数が少なくなり,既存モデルでは高精度なパラメータ推定が期待できない.そこで,本論では,通常の項目反応理論について,できる限り評価者パラメータ数が少なくなるように評価者パラメータを付加した,ピアアセスメントのための新たな項目反応理論を提案する.提案手法の特徴は次のとおりである,(1)既存モデルより高精度なパラメータ推定が可能である.(2)評価者特性として評価の一貫性と厳しさの影響を反映した学習者の能力推定が可能である.(3)学習者の正確な能力推定が期待できる.更に,本論では,シミュレーション実験及び被験者実験により提案手法の有効性を示す.

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IEICEに宇都・植野(2015)「ピアアセスメントの低次評価者母数をもつ項目反応理論」(http://t.co/9uMzxVLMVt)や植野・松尾(2015)「項目反応理論を用いて適応的ヒントを提示する足場かけシステム」(http://t.co/9uMzxVLMVt)など。

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