著者
森田 登代子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究
巻号頁・発行日
vol.32, pp.181-203, 2006-03-31

近世、京都の庶民階層は大嘗会、新嘗祭、即位儀礼の情報を町触れから逐一得ていた。天皇家祖先への神祭りである大嘗会では忌避されたが、公的な就任儀礼である天皇即位儀礼では庶民の拝見が許可された。入場券代わりの切手が男性一〇〇人女性二〇〇人に配られ、禁裏内、日華門近くで拝見した。即位儀礼を感涙にむせびながら厳粛に拝見する民衆もいれば、遊楽と見紛う行為も見られた。大嘗会や新嘗祭、譲位、即位儀礼、入内が布告されるたび、火の始末、鐘撞や芝居上演禁止など日常生活への拘束がともなったが、天皇に関する行事が庶民の関心を呼んだことは間違いがない。

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[皇室][その他] (論文)(国際日本文化研究センター)(PDF)

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[B!]International Research Center for Japanese Studies Repository: 近世民衆、天皇即位式拝見 : 遊楽としての即位儀礼見物:… http://t.co/L6CjedmaGq
森田登代子「近世民衆、天皇即位式拝見 —遊楽としての即位儀礼見物」 http://t.co/iz5iAjP1u1 を読むと、明正院即位式を描いた屏風絵に、紫宸殿縁の下の乞丐とか、乳をやる女性とか、纛幡を揺らすガキとか出てきて、近世初期の民衆には即位式もお祭りの1つだったのだなとw

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