- 著者
-
内野 滋彦
- 出版者
- メディカル・サイエンス・インターナショナル
- 雑誌
- INTENSIVIST (ISSN:18834833)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, no.2, pp.280-281, 2011-04-01
まず,問題です。血圧(BP)に関するありがちな会話:
動脈圧ラインでBP 90/45(58)mmHgの患者を診て,
「あれ,血圧90しかないの? 低いね。ちょっと実測してみて」
自動血圧計で測定すると,102/50(59)mmHg。
「なんだ,100あるじゃん。じゃあ大丈夫だね」
さて,このなかに間違いはいくつあるでしょう?
…
この問題の答えの1つは,自動血圧計non-invasive blood pressure(NIBP)を“実測”と呼んでいる点である。この言葉,日本中で使われているかどうかは知らないが,少なくとも関東地方ではよく耳にする。“実際に測定”しているのは動脈圧ラインだと思うのだが,いったい誰が実測という言葉を使い始めたのだろうか?
のっけから脱線してしまって申し訳ない。本コラムの主題はNIBPについてではなく,血圧の考え方についてである。ちなみに,この問題の答えは“実測”を含め4つある。まだわからない方は以下を読んでほしい。