- 著者
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竹林 崇
花田 恵介
内山 侑紀
道免 和久
- 出版者
- 日本作業療法士協会
- 巻号頁・発行日
- pp.662-671, 2016-12-15
要旨:脳卒中後に非流暢性失語と右片麻痺を呈した慢性期の一症例に対して,両側の一次運動野への経頭蓋直流電気刺激と総指伸筋に対する末梢電気刺激を用いたニューロモデュレーション(Neuro-Modulation;以下,NM)後にCI療法を実施した.その結果,麻痺側上肢のFugl-Meyer Assessmentは,臨床上意味のある向上を示した.さらに,標準失語症検査における呼称を含む言語機能に改善を認めた.本症例報告は,NMとCI療法による手段的・応用的作業における麻痺手の使用が,言語機能を改善する可能性を示した.この報告により,作業療法の一部が言語練習を補完する可能性が示唆された.