著者
山崎 せつ子 鎌倉 矩子
出版者
日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.434-444, 2000-10-15

要旨:障害児の親であることを受容した親の適応過程は有用な情報を提供する.今回,自閉症児の親であることを受け入れた母親から,その過程の生活物語(子が6歳に至るまで)を聴取し,育児によせる思いの変遷と変遷を促した要因を検討した.その結果,この母親の思いは不安,闘争,運命への順応,障害の理解と究明への欲求,最適環境の追求,自己肯定と変遷したことがわかった.これらはDrotarらが示した先天奇形児の親の心理適応と大筋は一致したが,この母親の独自性をも示すものであった.思いの変遷を促した要因の中で,日常的出来事,母親自身の内発的力は特徴的だと思われた.一個人の詳細を知ることの意義が示されたと考える.

言及状況

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「親」を対象にした研究。親、家族を対象にした研究は、方法に様々な工夫されていることが多くて、参考になります。 事例報告:自閉症児Aの母親が障害児の母親であることに肯定的な意味を見出すまでの心の軌跡 (作業療法 19巻5号) | 医書.jp https://t.co/2cw10ta8FQ

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