- 著者
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若松 美智子
佐野 遙
伊藤 亜希子
中村 和子
松倉 節子
蒲原 毅
- 出版者
- 金原出版
- 巻号頁・発行日
- pp.160-163, 2020-02-01
64歳,女性。初診時,右拇指に爪甲の肥厚,粗糙化,破壊と爪甲下の膿疱が認められた。病理組織学的にKogoj海綿状膿疱がみられたが,当初は皮膚カンジダ症が合併していたことなど,診断に苦慮した。無菌性膿疱が慢性に繰り返してみられたこと,再度皮膚生検を施行し病理組織学的にKogoj海綿状膿疱が確認できたことからHallopeau稽留性肢端皮膚炎と診断することができた。エトレチナート20mg/日内服で膿疱は速やかに消失し,ほぼ正常な爪甲の再生がみられた。これまでエトレチナート減量や中止で汎発化した既報告例が散見されるため,今後も注意深い経過観察が必要であると考えられた。