著者
岡本 洋子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成18年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.174, 2006 (Released:2006-09-07)

【目的】本報告ではいくつかの代表的な甘味物質とバレイショデンプンに試料を絞って、添加するバレイショデンプンの濃度が上昇し、ゾルからゲルに移行するとともに、甘味の感じ方がどのように変化するのか、ゲルとゾルを同一条件で調べること目的した。【方法】年齢18から20歳の健康な女子学生26から30名をパネルとし、甘味試料としては、D-グルコース、D-フルクトース、スクロース、D-ソルビトールが用いられた。パネルは、「基準液」と「デンプン添加の甘味試料」を味わって甘味の強さを比較し、評点法で評価した。評点データは、一元配置分散分析後、グループ間の有意差をテューキーの多重比較により検定し、p<0.05を有意とした。統計ソフトはSPSS for Windowsを用いた。【結果】「ゾル群:0.15625_から_2.5%デンプン添加の甘味試料を含む群」では、平均評点はおおむね小さく、これは基準液と甘味強度にあまり差がないことを示している。「ゲル群:5.0から20.0%デンプン添加の甘味試料を含む群」では、平均評点はおおむね大きく、これは基準液と甘味強度の差が大きいことを示している。すなわち、「ゾル群:0.15625から2.5%デンプン添加の甘味試料を含む群」では、甘味が強く感じられ、「ゲル群:5.0から20.0%デンプン添加の甘味試料を含む群」では甘味が弱く感じられるといえよう。また、「ゾル群」と「ゲル群」では、甘味強度に有意差の認められた群間が多かった。これらのことから、甘味試料がゾルからゲルに変化すると粘性や硬さを増すが、それにともない甘味強度が弱くなるのではないかと考えられた。

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