著者
渡部 佳美 奥田 弘枝 岡本 洋子 上村 芳枝 木村 留美 杉山 寿美 原田 良子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】各地には地域の気候、風土、産業、文化、歴史等に培われ、伝承された行事食が残されている。しかし食生活の変化に伴い、食文化が変容している現状がある。そこで、行事食の認知状況や摂食状況等を明らかにするため、日本調理科学会特別研究として平成21~23年度に実施した「調理文化の地域性と調理科学-行事食・儀礼食-」の調査から得られた行事食「土用の丑」「重陽」「月見」の結果を報告する。【方法】当学会特別研究の全国統一様式の調査用紙を用いて調査を行った。広島県に在住する大学・短期大学の学生およびその家族等を対象とし広島県の地域間および世代間の比較を行うため、地域を安芸地域(西部)と備後地域(東部)とした。年代を10~20代の学生と30代以上の一般に大別し、西部の学生143名、一般166名、東部の学生87名、一般129名、計525名とした。解析にはエクセル統計2003を用いた。【結果】調査対象者のうち「月見」「土用」は90%以上の者が行事を認知していたが、「重陽」は西部で約20%、東部では約10%と低かった。また、行事および喫食の経験についても「重陽」は他の行事に比べ低く、「月見」は「月見だんご」の喫食経験が高く、東部に比べ西部の方がより高い割合であった。また、「月見だんご」は「買う」と答えた割合が高く、「小芋」は「家庭で作る」割合が高かった。「土用」は、「鰻のかば焼き」を「毎年食べる」と答えた割合が学生約50%、一般約60%と高い割合であった。喫食経験はすべての行事で一般の方が学生に比べ高い割合であったが、いずれの行事食も「家庭で作る」が、現在の方が以前に比べ減少していた。
著者
岡本 洋子 上村 芳枝 原田 良子 奥田 弘枝 木村 留美 杉山 寿美 渡部 佳美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】平成21~23年日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学:行事食・儀礼食」データベースから、広島県に10年以上在住している回答者のデータを抽出し、広島県における行事食・儀礼食の実態を明らかにした。とくに本報告では、人日・節分・上巳の行事について、年代間および地区間の「認知と経験」「行事食の喫食状況」等の相異を調べることを目的とした。【方法】広島県10年以上在住者データ(625名)を、10~20歳代(学生;46.6%)と30歳代以上(一般:53.4%)、安芸地区(45.6%)と備後地区(50.9%)に分類した。年代間、地区間の喫食状況等の比較には、独立性の検定(カイ2乗検定)を用い、有意水準は1%未満および5%未満とした。行事食として、七草粥、いわし料理、いり豆、巻きずし、白酒、もち・菓子、ご飯・すし、はまぐり潮汁を取りあげた。【結果】(1)人日・節分・上巳行事の認知は、地区による相異はみられなかったが、経験では30歳代以上で地区間に有意差がみられ(p < 0.01)、備後地区の経験度が高かった。(2)七草粥、いわし料理、はまぐり潮汁の喫食状況では、10~20歳代において地区間に有意差がみられた。いわし料理は、30歳代以上において地区間に有意差がみられた。いずれも備後地区の喫食経験度が高い傾向がみられた。(3)認知と経験、喫食状況では、いずれの地区においても、年代間に相異がみられる行事食が多かった。(4)「行事食を家庭で作る」・「買う」では、いずれの地区においても年代間に有意差がみられる行事食が多く、行事食を家庭で作る機会が失われていることが示唆され、家庭内の調理担当者からその子や孫へと受け継がれた食文化が変容している状況がうかがえた。
著者
広島県食文化研究グループ 三好 康之 岡本 洋子 前田 ひろみ 井川 佳子 大下 市子 奥田 弘枝 奥山 清美 亀井 文 上村 芳枝 倉田 美恵 土屋 房江 三谷 璋子 吉永 美和子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.369-377, 2006-12-20
被引用文献数
1

広島県で摂取されている魚料理を把握する目的で,広島県在住者171名を対象として質問紙を用いた聞き取り調査を実施した。回答数は4,551件であった。魚料理にはあじ,いか,ぶり,あさり,さばがよく用いられ,広島県で漁獲量の多い牡蠣,ちぬ,たちうお,こいわし,なまこはこれらより少なかった。また,島嶼地域では,自給の魚介類で調理する魚料理が他の地域よりも多かった。調理法は,焼き物が最も多く,なま物,煮物,揚げ物の4つの調理方法で総回答数の75.1%を占めていた。和風調理が多く,焼き物の64.4%を塩焼きが,煮物の75.2%を煮付けが占めていた。対照的に,こしょう,バターなどを用いた洋風調理は少なかった。広島県特有の魚介類であるこいわしは,天ぷらや刺身として,ちぬは塩焼きとして,えびじゃこは汁物や塩茹でとして料理されていた。
著者
岡本 洋子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.617-622, 2004-08-15
参考文献数
11

味変容物質のひとつであるギムネマ・シルベスタ(Gymnema sylvestre, R. Br.)抽出物を用いて,甘味物質に対する感受性について,その抽出液を味わった前と後を比べ,どのような相異がみられるのか調べた.その抽出液の濃度は被験者が受け入れ可能な濃度とした.甘味物質として,単糖・二糖類,オリゴ糖,糖アルコール,ペプチド等に分類される27種類を用いて,味感受性検査を行った.同様の味感受性検査を,酸,塩,苦,うま味物質についても行った.味感受性検査は,18~20歳の健康な女子学生28名を被験者として,全口腔法・下降系列極限法によって行われた.全被験者のうち, 50%の人が識別できる濃度をプロビット法によって求めて味感受最小濃度(閾値)とした.甘味物質27種類について,ギムネマ・シルベスタ抽出液を味わった後の甘味感受最小濃度は,抽出液を味わう前に比べ,2~13倍もの高い値であることが示された.従来から使用されている甘味物質だけでなく,近年開発された甘味物質についても,ギムネマ・シルベスタ抽出液を味わった後の甘味感受最小濃度は味わう前に比べ,著しく上昇することが明らかにされた.しかしながら,酸,塩,苦味物質各1種類,うま味物質3種類では,ギムネマ・シルベスタ抽出漁を味わう前後の味感受最小濃度の間には,ほとんど差が認められなかった.ギムネマ・シルベスタ抽出液を味わった後の甘味感受については,ある限度以下の濃度では,これまでの研究者が述べているように,あたかも純水を飲んでいるかのように感じたが,ある限度を超えた濃度では,甘味を感じることを認めた.一方,ギムネマ・シルベスタ抽出液を味わった後,酸,塩,苦,うま味の感受については変化を認めなかった.
著者
岡本 洋子 田口 田鶴子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.621-631, 1997
参考文献数
20
被引用文献数
4

A survey of the effect childhood diet on the taste sensitivity and personality in later life was conducted on college students from 18 to 20 years of age (93 females). The sensitivity toward sweet, sour, salty, bitter and umami tastes was measured by using aqueous solutions. The students recalled the tastes and nutritional balance from childhood when preparing daily meals. Dishes such as Hamburg steak, curry and rice, and nimono were eaten, together with snacks, cakes and sweet rolls by most of the 93 subjects during childhood. Most of the subjects recalled eating tasty and enjoyable meals around the family dinner table, and that their mothers prepared everything from scratch. A few of the students recalled eating meals alone and having a lot of fast food. Taste sensitivity tests with aqueous solutions showed that the subjects could perceive 0.1-0.6% of sucrose, 0.01-0.05% of citric acid, 0.01-0.06% of sodium chloride, 1.0×10^lt-9gt-1.0×10^lt-4gt% of quinine, and 0.005-0.035% of MSG. Little difference was found between the diet in childhood and the subsequent taste sensitivity. There was, however, a significant correlation between the diet in childhood and 8 of the 12 personality traits. A balanced diet in childhood had a good effect on personality (i.e., absence of depression, an active demeanor and social extravesion). We conclude that a good diet during childhood had little influence on taste sensitivity in later life, while it had a positive influence on personality development.
著者
多山 賢二 住田 初美 岡本 洋子
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTEGRATED STUDY OF DIETARY HABITS
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.241-249, 2011

有機酸の存在が不可欠な5種の酸味のメニュー ((1)すし飯, (2)酢の物, (3)ぽん酢醤油をかけた豆腐, (4)ハチミツドリンク, (5)飲むヨーグルト) において, 代表的な有機酸である酢酸, クエン酸, 乳酸にグルコン酸を加えた合計4種の内, どの有機酸を用いたメニューが最も美味しいか酸味度を揃えた上で評価した。その結果, グルコン酸は(5)においてクエン酸と共に最も好まれたものの,(3)でやや好まれた以外, その他のメニューでは最も好まれないグループに属した。(1)(2)(3)で酢酸が最も好まれたことは食べ慣れた味が美味しく感じることを示唆している。調理上のグルコン酸の評価を上げていくためには様々な検討や時間をかけた取り組みが必要と思われた。<br>  一般的なお寿司には多くの食塩が含まれるため, すし飯の減塩の手法を考えた。グルコン酸に着目した検討の結果, 食酢, 砂糖, 食塩の三者ですし飯を作る際, グルコノデルタラクトンを追加すれば, 食塩量を半量としても美味しさを変えることなくすし飯を味わえることが明らかになった。グルコン酸カリウムでも減塩できたものの, 食酢の酸味を緩和しすぎることから食酢使用量が多くなり過ぎ, 調理コストの点で好ましくなかった。<br>  食経験がある酢酸菌を入手しグルコースを主原料としたグルコン酸発酵を検討し, グルコースと酵母エキスの培地で酢酸が少ない条件では, 220時間でグルコン酸を9%蓄積させることができた。また, 米とアルコールからなる原料からもグルコン酸10%を含む醸造酢が試作できた。
著者
岡本 洋子 吉田 惠子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】日本のだしを中心とした薄味の和食には,健康維持とおいしさが両立できる世界でも希な食事体系である。さらに,和風だしを用いた食事を実践することは,生活習慣病のリスクを低減する一要因となると考えられている。そこで,本研究では和風だしの代表的素材である,かつお節とコンブを用いただしについて好ましく受容できることが重要と考え,それらの天然素材だしならびに風味調味料だしを用いた調理食品を調製し,識別ならびに嗜好性を調べることを目的とした。【方法】天然だしおよび風味だしを用いた調理食品の識別と嗜好性については,官能評価法(3点識別試験法,2点嗜好試験法,3点嗜好試験法)によって行った。評価者は年齢18~20歳の健康な女子学生27~32名である。試料として,だしを用いた調理食品7種(主食:醤油味飯,汁かけうどん,主菜・副菜:高野豆腐煮物,だし巻卵,サトイモの煮物,ゴボウの煮物,汁物:味噌汁)を調製した。データは,有意差の検定(2項検定)により解析した。【結果】① 7種のだしを用いた調理食品では,天然だし食品と風味だし食品の「おいしさ」が異なることを有意に識別できた(p<0.01, p<0.05 )。 ② 7種のだしを用いた調理食品では,天然だし食品と風味だし食品の嗜好性に有意差はみられなかった。しかしながら,7種のうち6種において,天然だし食品と比べ,風味だし食品を好む傾向がみられた。③ おいしさを評価する際の背景要因として食体験があげられるが,今回は食経験と官能評価の関係については明らかにできなかった。本研究の評価者は,これまでに,天然素材のだしではなく,日常的に風味調味料だしを調理のときに使用していたのかもしれない。
著者
岡本 洋子
出版者
熊本学園大学
雑誌
社会関係研究 (ISSN:13410237)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-41, 2007-11
被引用文献数
1