著者
山内 知子 阪野 朋子 小出 あつみ 間宮 貴代子 松本 貴志子 勝崎 裕隆 今井 邦雄
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成26年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.15, 2014 (Released:2014-08-29)

【目的】愛知の地元野菜であるアシタバに着目し,生活習慣病予防を目指した機能性パンの開発を試みた。試料のアシタバの構成成分の分析と粉末アシタバ置換量が製パンの機能性亢進に与える効果について,製パン中のポリフェノール量及び抗酸化活性の変化を明らかにした。【方法】】アシタバは,2012年11月に稲沢市の栽培農家から購入し,凍結乾燥(-80℃)し粉末(250μm)にした。強力粉重量400gの内、1%(4g)、3%(12g)、5%(20g)をアシタバ乾燥粉末で置換してパンを作成し、試料とした。対照としてアシタバ無置換パンを作成した。パンの材料配合は置換したアシタバ以外は、使用したホームベーカリーに示される方法で焼成した。アシタバ成分の構造はLC-MSとNMRで分析し,ポリフェノール量はFolin Denis法,抗酸化活性はDPPHラジカル捕捉活性測定法を用いて測定した。データは多重比較法によりTukey-Kramer法で解析し,統計的有意水準は1%とした。【結果】成分分析の結果,今回実験に使用したアシタバの主要成分の一つがChlorogenic acidであることを明らかにでき, Quercetin やkaempferol の配糖体が含まれていることも示唆できた。アシタバ置換パンにおいて,ポリフェノール量・DPPHラジカル捕捉活性能は対照パンと比較して,両者ともにアシタバの置換量増加に伴い有意(p<0.01)に増加する傾向を認めた。日常的に食するパンの強力粉の一部をアシタバに置換することにより、効率的に機能性成分を摂取できる可能性が示唆された。今後,より生理活性の高まるアシタバを用いた調理・加工法について検討していきたい。

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