- 著者
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磯部 由香
平島 円
堀 光代
長野 宏子
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成26年度(一社)日本調理科学会大会
- 巻号頁・発行日
- pp.4, 2014 (Released:2014-08-29)
【目的】調理の重要な操作として「切り方」が挙げられる。本研究では,大学の調理実習で「切り方」の扱うための知見を得ることを目的とし,大学生と専門学校新入生の「切り方」の知識とその操作を行う自信度について分析し,学生の調理技術について検討した。 【方法】2010~2013年に大学・短大・専門学校に入学した学生1,149名に対し,20種類の「切り方」の知識とその自信度についてアンケート調査した。それぞれの項目について「できる」「ほぼできる」「少しできる」「たぶんできる」「できない」「知らない」から選択回答させた。その結果から20種類の切り方をクラスター分析により分類した。 【結果】学生が「知っている」切り方は「リンゴの皮むき」「みじん切り」「ジャガイモの皮むき」の順で多かった。しかし,学生が「できる」と回答した,すなわち自信度の高い切り方は「輪切り」「みじん切り」「いちょう切り」の順だった。「皮むき」については自信度が低かった。学生の自信度により切り方を分類したところ,自信度の高い切り方が7種類,個人差の大きい切り方5種類,自信度の低い切り方8種類と3つに分類された。自信度の高い切り方は高等学校までの教科書に多く記載されている切り方で,自信度の低い切り方は教科書にほとんど記載されていなかった。したがって,学生の調理技術を高めるためには経験することが重要であり,大学の授業で扱う必要があるとわかった。また,大学で調理実習を行う予定の学生と行わない学生に分けて切り方を自信度別に分類したが,調理実習を行う学生のほうが自信度の高い切り方が少なかった。実習を行う予定の学生のほうが調理の難しさを理解しているのではないかと推察された。