著者
川口 潤
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.225-229, 1995 (Released:2006-06-02)
参考文献数
12

本論文では,最近の認知心理学におけるプライミング研究について概観した。プライミング効果とは,先行刺激を処理することによって後続刺激の処理が促進されることを指すが,一般にプライミング効果と呼ばれている現象には,意味的プライミング効果と反復プライミング効果がある。意味的プライミング効果は,意味的関連のある先行刺激によってターゲット情報の処理が促進される現象であり,2刺激の時間間隔は数 10 msec から数秒以内である。一方,反復プライミング効果は,ターゲット情報と同一の先行情報によって処理が促進される現象であり,2刺激間の間隔は比較的長期間である。それぞれ,被験者が先行情報を意識的認知している場合といない場合との比較が関心を集めている。ただ,このような意識を伴わない処理 (潜在認知・潜在記憶) の測定には十分な注意が必要である。今後,認知心理学的研究と神経科学的・神経心理学的研究との連携が期待される。

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J-STAGE Articles - プライミングの認知心理学 https://t.co/oRZ69v5fg1
「プライミングの認知心理学」 プライミング研究についてレビュー論文的にまとまっている。 プライミングはモダリティの影響を受けやすいの、なんでだろう…? https://t.co/89qelIXTkl
『プライミング効果』 先行刺激によって後続刺激が無意識的に促通、抑制される現象のこと。 例えば、朝の占いで最も悪い運勢だった時に、普段気にならないミスや悪い出来事がすごく気になり、占いが当たってると関連つけてしまうこと。もこれかと! https://t.co/nUDLbafz7j

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