著者
速水 敏彦
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.176-186, 2011-03-30 (Released:2011-11-25)
参考文献数
61
被引用文献数
2

ここでは現代の若者の心性を表現する概念として我々が創出した「仮想的有能感」に関する約 10 年間の研究を概観した。まず, この概念に関わる重要な3つの問題について触れた。第1に仮想的有能感に自尊感情を組みあわせ, 4つの有能感タイプをつくることで, 本来の概念規定により近似した個人の選択を可能にした。第2に本来無意識的な仮想的有能感は他者軽視の傾向を測るACS-2 によっているが, その尺度に潜在的自尊感情が反映されていることを潜在連合テストを使った研究で実証した。第3に仮想的有能感が若者だけのものなのかについても横断的研究により明らかにしようとした。 他に様々な領域で展開した研究をまとめた。仮想的有能感の高い人の特徴として, (1)日常的に負の感情を持ちやすいこと, (2)負の対人感情を形成しやすいこと, (3)受容的な養育を受けず, 勤勉性も発達していないこと, (4)競争的ではあるが, 努力志向でなく, 学習を嫌うこと, (5)問題行動を生じやすいこと, (6)就労への意欲が希薄なこと, (7)外国と比較すればアメリカや韓国では仮想的有能感も自尊感情も我が国より高いこと, などが示された。最後に問題点や今後の研究の必要性について討論された。

言及状況

外部データベース (DOI)

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代表の田中が自分の考えを述べるのに、下敷きにしていた速水先生の研究についてです。 「仮想的有能感」に関する研究の展望について よければご一読ください https://www.jstage.jst.go.jp/article/arepj/50/0/50_0_176/_pdf

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有能感は、研究で日本人に多くみられる傾向(仮想型、委縮型)であるとわかっている。(アメリカや韓国などは自尊型と全能型) これは若者の心性に関する研究なので、自分たちは決して無視できない。 ソースこちら https://t.co/8hAPnXrfXo
J-STAGE Articles - 仮想的有能感研究の展望 https://t.co/2b7pps2H7M
学生の発表で仮想的有能感という概念が出てきて、興味があって調べてたら研究も進んでいるようだった。基本的には他者軽視傾向を調べるもののようだ。https://t.co/0qvbOJSTj4

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