著者
速水 敏彦 木野 和代 高木 邦子
出版者
JAPAN SOCIETY FOR RESEARCH ON EMOTIONS
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.43-55, 2005-09-30 (Released:2009-04-07)
参考文献数
25
被引用文献数
17 6

In response to recent social phenomenon of adolescents reporting increasingly higher levels of anger, a new construct "assumed-competence" is proposed in this study.The purpose of Study 1 is to formulate an instrument to measure individual differences in assumed-competence and to examine the construct validity of the scale by comparing it with self-esteem in relation to past experiences. Four scales designed to measure assumed-competence, past experiences, self-esteem, and narcissistic-competence were administered to 393 university students. The ACS (Assumed-Competence Scale) consisting of 11 items showed high reliability. The ACS showed no significant relationship to self-esteem, but was positively related to narcissistic-competence. Self-esteem was positively correlated with positive experiences and assumed-competence was also positively correlated with negative experiences.Study 2 aimed at investigating the relationship between assumed-competence and anger measured using Spielberger's STAXI. Results suggested that individuals with high assumed-competence had higher trait anger than those with low assumed-competence. However, self-esteem inhibited the expression of anger.
著者
松本 麻友子 山本 将士 速水 敏彦
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.432-441, 2009 (Released:2012-02-29)
参考文献数
37
被引用文献数
10 8 4

本研究の目的は, 仮想的有能感といじめ加害経験, 被害経験との関連を検討することであった。高校生1,062名を対象に仮想的有能感, 自尊感情, いじめ加害経験, 被害経験(身体的いじめ, 言語的いじめ, 間接的いじめ)の尺度が実施された。その結果, 仮想的有能感と全てのいじめ加害経験, 被害経験との間に正の相関が見られた。同様に, 自尊感情との組み合わせによる有能感タイプといじめとの関連を検討した結果, 仮想的有能感の高い「仮想型」・「全能型」ではいじめ加害経験, 被害経験が多く, 仮想的有能感の低い「萎縮型」・「自尊型」ではいじめ加害経験, 被害経験が少ないことが示された。本研究の結果から, いじめ加害経験, 被害経験には, 自尊感情よりもむしろ, 仮想的有能感が強く関連していることが示された。
著者
鈴木 有美 速水 敏彦
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.23-31, 2015-09-30 (Released:2015-10-08)
参考文献数
38
被引用文献数
1 1

Focusing on the argument of which assumed competence was derived from the motivation of self-enhancement for the ego-threatened person, the present study elucidated its relationship to anxiety, defense mechanism, subjective well-being, and hopelessness. In the first study, 354 undergraduates were classified into 4 competence types based on crossing scores of the Assumed Competence and Self-Esteem scales: atrophic, self-esteemed, omnipotent, and assumed. Those who were categorized in assumed competence type rated the highest on anxiety and coped with their ego-threat on immature defense level. In the second study, a self-report questionnaire was administered to 300 undergraduates to examine the relationships among assumed competence, self-esteem, subjective well-being, and hopelessness. The results clarified that their mental health varied not solely with a tendency of undervaluing others but with self-esteem. Discussed were some issues for future research in terms of training programs exerted to cope with ego-threats on mature defense level, to protect self-esteem, and then to improve well-being for adolescents.
著者
速水 敏彦
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.176-186, 2011-03-30 (Released:2011-11-25)
参考文献数
61
被引用文献数
2 1

ここでは現代の若者の心性を表現する概念として我々が創出した「仮想的有能感」に関する約 10 年間の研究を概観した。まず, この概念に関わる重要な3つの問題について触れた。第1に仮想的有能感に自尊感情を組みあわせ, 4つの有能感タイプをつくることで, 本来の概念規定により近似した個人の選択を可能にした。第2に本来無意識的な仮想的有能感は他者軽視の傾向を測るACS-2 によっているが, その尺度に潜在的自尊感情が反映されていることを潜在連合テストを使った研究で実証した。第3に仮想的有能感が若者だけのものなのかについても横断的研究により明らかにしようとした。 他に様々な領域で展開した研究をまとめた。仮想的有能感の高い人の特徴として, (1)日常的に負の感情を持ちやすいこと, (2)負の対人感情を形成しやすいこと, (3)受容的な養育を受けず, 勤勉性も発達していないこと, (4)競争的ではあるが, 努力志向でなく, 学習を嫌うこと, (5)問題行動を生じやすいこと, (6)就労への意欲が希薄なこと, (7)外国と比較すればアメリカや韓国では仮想的有能感も自尊感情も我が国より高いこと, などが示された。最後に問題点や今後の研究の必要性について討論された。
著者
速水 敏彦
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.171-193, 1995 (Released:2019-07-24)
被引用文献数
8
著者
小塩 真司 西野 拓朗 速水 敏彦
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.250-260, 2009-05-01 (Released:2009-07-04)
参考文献数
26
被引用文献数
7 3 6

本研究の目的は,他者軽視および顕在的自尊感情と,潜在連合テスト (Implicit Association Test; IAT) によって測定された潜在的自尊感情との関連を検討することによって,仮想的有能感の特徴を明らかにすることであった。研究1では大学生119名に対し,紙筆版の潜在連合テストによって潜在的自尊感情を測定し,顕在的自尊感情尺度,他者軽視に基づく仮想的有能感尺度を実施した。また研究2では,大学生155名を対象に,パーソナルコンピュータ上の潜在連合テストによって潜在的自尊感情を測定し,顕在的自尊感情尺度,仮想的有能感尺度を実施した。2つの研究ではほぼ同じ結果が再現された。まず第1に,仮想的有能感は顕在的自尊感情とは有意な関連がみられないが,潜在的自尊感情とは有意な正の相関関係にあった。また第2に,顕在的自尊感情が低く潜在的自尊感情が高い者が,もっとも他者軽視を行う傾向にあることが示された。
著者
速水 敏彦 小平 英志
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.171-180, 2006-01-31
被引用文献数
1 7

これまで,他者軽視に基づく仮想的有能感に関して,感情経験との関連を中心とした検討が行われてきた(速水ほか,2003).本研究では,低い自尊感情を補償しようと,他者軽視を行う典型的なタイプを抽出するために有能感の類型論的アプローチを用い,学習観と学習に対する動機づけとの関連を検討した.高校生395名に対して他者軽視,自尊感情,学習観(学習量,環境,方略志向),および自己決定理論に基づく動機づけ(外的,取り入れ的,同一化的,内発的動機づけ)の尺度が実施された.相関関係からは,他者軽視に基づく仮想的有能感は学習量志向と負の関連にあることが示された.また各類型の特徴を整理した結果,仮想型では,自尊型と比べて,外的動機づけおよび取り入れ的動機づけが高く,同一化的動機づけと内発的動機づけが低い傾向にあった.萎縮型では,いずれの動機づけも低い傾向にあった.
著者
杉本 英晴 速水 敏彦
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.224-232, 2012-06-20

青年期は職業につく準備期間とされ,とくに青年期後期に行われる進路選択は非常に重要である。しかし最近,大学生における進路選択の困難さが指摘されている。本研究では,仮想的有能感の類型論的アプローチから就職イメージについて検討することで,他者軽視に基づく仮想的有能感と進路選択の困難さに影響を及ぼす就職に対するネガティブなイメージとの関連性について検討することを目的とした。本研究の目的を検証すべく,大学生339名を対象に,自尊感情尺度,他者軽視尺度,就職イメージ尺度,時間的展望体験尺度から構成された質問紙調査を実施した。その結果,他者軽視傾向が高く自尊感情が低い「仮想型」は,他者軽視傾向が低く自尊感情が高い「自尊型」と比較して,就職に対して希望をもてず,拘束的なイメージを抱いていることが明らかとなった。また,「仮想型」の時間的展望は,過去・現在・未来に対して肯定的に展望していないことが確認された。本研究の結果から,肯定的な展望ができない「仮想型」は,他者軽視を就職にまで般化していると考えられ,「仮想型」にとって就職することをネガティブにとらえることは,自己評価を最低限維持する自己防衛的な役割を果たしている可能性が示唆された。
著者
速水 敏彦 西田 保 坂柳 恒夫
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學教育學部紀要. 教育心理学科 (ISSN:03874796)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.9-24, 1994-12
被引用文献数
1

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
速水 敏彦
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究の目的は自伝的記憶がその中に含まれる感情を介して動機づけにどのような影響を与えるかを明らかにすることである。自伝的記憶の内容は何らかの具体的経験であり、その認知としての過去の具体的経験が今後の行動をどのように動機づけるかを検討しようとするものである。3つの調査的研究が実施された。研究1は女子大学生のスポーツについての自伝的記憶と動機づけが、続く研究2ではスポーツ振興会に所属して現在もスポーツに励む(動機づけの高い)人と特にそのような会に所属しない看護婦のスポーツについての自伝的記憶が比較された。さらに研究3では大学生を対象にして英語学習についての自伝的記憶と現在の英語学習への動機づけの関係が検討された。現在スポーツをしている社会人は学生時代以降の自伝的記憶が多かったが他の群では学生時代の自伝的記憶が多かった。また英語学習に関しては学校外の出来事に関する自伝的記憶が意外に多いことがわかった。いずれの研究でも自伝的記憶の内容は正の経験として成功経験、正の対人関係、フロー経験、負の経験として失敗経験、負の対人経験、怪我・危険な経験の6つに分類された。正の経験の多くが正の感情を、負の経験の多くが負の感情を伴っており、正の経験は現在のその行動の動機づけを高めていたが、負の経験は必ずしも動機づけを低減させているわけではなかった。
著者
速水 敏彦 Hayamizu Toshihiko 木野 和代 Kino Kazuyo 高木 邦子 Takagi Kuniko
出版者
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要. 心理発達科学 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-8, 2004-12-27

A new construct "Assumed-Competence based on undervaluing others (AC is short for the construct)" was proposed to explain adolescents' behaviors in these days. AC was defined as the habitual feeling of competence that would be followed by one's criticizing or undervaluing others regardless of how much he/she had directly positive or negative experiences. To measure the individual differences of AC, the assumed-competence scale (ACS is short for the scale) consisting of 11 items was constructed. The purpose of this study was to examine the construct validity of ACS by showing the relations with several psychological constructs which have logical associations with AC. In the meanwhile, self-esteem (SE is short for it) mean true competence based on really positive and negative experiences. That is, SE could be clearly discriminated from AC. Thus, to make clear discriminating validity of ACS, SE was measured as well as AC when the relations with other psychologicl constructs were investigated. Seven psychological constructs we used here as criteria of validity were (1)locus of control, (2)public and private self-awareness, (3)loneliness, (4)sympathy, (5)emotion of anger. (6)pleasure and displeasure experiences (during lately three months) and (7)life satisfaction. Participants were 124 junior college students, 258 university students and 11 graduate students. Correlation coefficients between AC,SE and seven psychological constructs were calculated. The results were interpreted by focusing only significant correlations. Concerning self, although SE was related positively to internal control, AC was not, whereas positive relation between ACS and private self-awareness was shown. Next, regarding with interpersonal relationship, AS had positive relations to loneliness, that is, the persons whose AS are high thought that human could not understand each other and they were strongly aware of individuality. Also negative correlation was presented between AC and sympathy. In the meantime, SE had no relation to the variables of interpersonal relationships. In tern, emotion as a criterion of validity was examined. AC was related positively with trait-anger, expression of anger and displeasure experiences in academic and friendship situations. Furthermore, AC had negative relation to life satisfaction. On the contrary, SE was correlated positively with pleasure experiences and life satisfaction. Based on the results mentioned above, we judged ACS to have construct validity to some extent. Finally we suggested the possibility of classification of AC in the relation with SE.
著者
小平 英志 小塩 真司 速水 敏彦
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.217-227, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
22
被引用文献数
11 7

本研究の目的は,対人関係で経験される抑鬱感情と敵意感情に焦点を当て,仮想的有能感と日常の感情経験との関連を検討することであった。調査1では,仮想的有能感尺度および自尊感情尺度が実施された。続く調査2では,大学生445名(男性238名,女性207名)を対象に,1日のうち印象に残っている対人関係上の出来事とそれに対する抑鬱感情・敵意感情を7日間に渡って記入するように求めた。その結果,他者軽視傾向が強く自尊感情の低い『仮想型』が,抑鬱感情,敵意感情の両方を強く感じていること示された。また,7日間の評定値の変動に関しても,他者軽視傾向が弱く自尊感情の高い『自尊型』と比較して大きいことが示された。本研究の結果から『仮想型』に分類される個人は,特に対人関係に関わる出来事に関して,日常から不安定で強い抑鬱感情,敵意感情を経験していることが示された。
著者
速水 敏彦
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
no.50, pp.176-186, 2011
被引用文献数
1

ここでは現代の若者の心性を表現する概念として我々が創出した「仮想的有能感」に関する約 10 年間の研究を概観した。まず, この概念に関わる重要な3つの問題について触れた。第1に仮想的有能感に自尊感情を組みあわせ, 4つの有能感タイプをつくることで, 本来の概念規定により近似した個人の選択を可能にした。第2に本来無意識的な仮想的有能感は他者軽視の傾向を測るACS-2 によっているが, その尺度に潜在的自尊感情が反映されていることを潜在連合テストを使った研究で実証した。第3に仮想的有能感が若者だけのものなのかについても横断的研究により明らかにしようとした。<br> 他に様々な領域で展開した研究をまとめた。仮想的有能感の高い人の特徴として, (1)日常的に負の感情を持ちやすいこと, (2)負の対人感情を形成しやすいこと, (3)受容的な養育を受けず, 勤勉性も発達していないこと, (4)競争的ではあるが, 努力志向でなく, 学習を嫌うこと, (5)問題行動を生じやすいこと, (6)就労への意欲が希薄なこと, (7)外国と比較すればアメリカや韓国では仮想的有能感も自尊感情も我が国より高いこと, などが示された。最後に問題点や今後の研究の必要性について討論された。
著者
速水 敏彦
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

これまで、動機づけの研究分野では外発的動機づけと内発的動機づけは対立する概念として扱われることが多かった。また、両者の関係に注目したいくつかの研究も認知的評価理論にみられるように外発動機づけの内発的動機づけへの妨害的効果が強調されてきた。しかし、子どもたちについての日常的観察からもわかるように先生や両親からの賞賛や賞品の授与、あるいはきびしい競争に勝ち抜くといった類の外発的動機づけは子どもたちのコンピテンスを高場させる面もあわせもっているように思われる。すなわち、外発的動機づけ→コンピランスあるいは自信の高まり→内発的動機づけの形成というル-トも考えられる。教育的視点からはこの過程にもっと注目して、どのような場合に内発的動機づけが生起するのか明らかにする必要がある。そこで、次のような研究が実施され、一定の結果をえた。(1)技能学習(ピアノ,習字,珠算,水泳などの学習)過程の検討:技能学習の初期、中期、終期での内発的動機づけや外発的動機づけについて大学生を対象にして回顧させるやり方で質問紙法により検討した。結果としては練習初期の外発的動機づけとその後の内発的動機づけとの間に正の関係が認められた。(2)幼児の課題遂行における外的報酬の効果の検討:個別実験的方法により検討した。この結果、幼児が課題遂行に成功した場合、言語的賞賛だけでなく、外的報酬も与えることが内発的動機づけの高さの指標である課題へのPersistenceを高め挑戦的な課題選択に関係することが明らかにされた。(3)教室場面での教師の子どもに対する動機づけ:小学校教師を対象にして1時間程度の面接を実施し、子どもに対する動機づけの実態や信念を尋ねた。教師の大半は小学校の低学年では賞賛競争,賞品といった外発的動機づけが子どもの内発的動機づけを形成するのに意味があるとみていた。
著者
小塩 真司 西野 拓朗 速水 敏彦
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.250-260, 2009
被引用文献数
2 3

本研究の目的は,他者軽視および顕在的自尊感情と,潜在連合テスト (Implicit Association Test; IAT) によって測定された潜在的自尊感情との関連を検討することによって,仮想的有能感の特徴を明らかにすることであった。研究1では大学生119名に対し,紙筆版の潜在連合テストによって潜在的自尊感情を測定し,顕在的自尊感情尺度,他者軽視に基づく仮想的有能感尺度を実施した。また研究2では,大学生155名を対象に,パーソナルコンピュータ上の潜在連合テストによって潜在的自尊感情を測定し,顕在的自尊感情尺度,仮想的有能感尺度を実施した。2つの研究ではほぼ同じ結果が再現された。まず第1に,仮想的有能感は顕在的自尊感情とは有意な関連がみられないが,潜在的自尊感情とは有意な正の相関関係にあった。また第2に,顕在的自尊感情が低く潜在的自尊感情が高い者が,もっとも他者軽視を行う傾向にあることが示された。
著者
速水 敏彦 木野 和代 高木 邦子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要. 心理発達科学 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-8, 2004-12-27
被引用文献数
1

A new construct "Assumed-Competence based on undervaluing others (AC is short for the construct)" was proposed to explain adolescents' behaviors in these days. AC was defined as the habitual feeling of competence that would be followed by one's criticizing or undervaluing others regardless of how much he/she had directly positive or negative experiences. To measure the individual differences of AC, the assumed-competence scale (ACS is short for the scale) consisting of 11 items was constructed. The purpose of this study was to examine the construct validity of ACS by showing the relations with several psychological constructs which have logical associations with AC. In the meanwhile, self-esteem (SE is short for it) mean true competence based on really positive and negative experiences. That is, SE could be clearly discriminated from AC. Thus, to make clear discriminating validity of ACS, SE was measured as well as AC when the relations with other psychologicl constructs were investigated. Seven psychological constructs we used here as criteria of validity were (1)locus of control, (2)public and private self-awareness, (3)loneliness, (4)sympathy, (5)emotion of anger. (6)pleasure and displeasure experiences (during lately three months) and (7)life satisfaction. Participants were 124 junior college students, 258 university students and 11 graduate students. Correlation coefficients between AC,SE and seven psychological constructs were calculated. The results were interpreted by focusing only significant correlations. Concerning self, although SE was related positively to internal control, AC was not, whereas positive relation between ACS and private self-awareness was shown. Next, regarding with interpersonal relationship, AS had positive relations to loneliness, that is, the persons whose AS are high thought that human could not understand each other and they were strongly aware of individuality. Also negative correlation was presented between AC and sympathy. In the meantime, SE had no relation to the variables of interpersonal relationships. In tern, emotion as a criterion of validity was examined. AC was related positively with trait-anger, expression of anger and displeasure experiences in academic and friendship situations. Furthermore, AC had negative relation to life satisfaction. On the contrary, SE was correlated positively with pleasure experiences and life satisfaction. Based on the results mentioned above, we judged ACS to have construct validity to some extent. Finally we suggested the possibility of classification of AC in the relation with SE.国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
松本 麻友子 速水 敏彦 山本 将士
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.87-90, 2013-07-30 (Released:2013-08-28)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

This study investigated what influences assumed competence in high school students. In Study 1, the association between assumed competence and interpersonal relationships was examined. The results showed that good relationships with school teachers reduced assumed competence. In Study 2, a semi-structured interview of class teachers was conducted about their relationships with the students. The results suggested that teachers' deep understanding of each student in the class was an important factor for the decline of the students' assumed competence.