- 著者
-
梶田 真
- 出版者
- 地理科学学会
- 雑誌
- 地理科学 (ISSN:02864886)
- 巻号頁・発行日
- vol.74, no.4, pp.201-217, 2019-12-28 (Released:2020-04-01)
- 参考文献数
- 29
- 被引用文献数
-
3
山村における全日制普通高校の設置は,地域子弟の高校皆進学化の実現において重要な役割を果たした。本稿では,岩泉高校小川校を事例として,全日制転換後,子弟の進学行動がどのように変化していったのかを考察した。小川校の全日制転換は,小川地区の子弟の高校進学の道を大きく広げたが,少子化による地元子弟数の減少に加え,小川校以外の高校に進学する傾向が強まっていったことにより,小川校の生徒数は急減し,真っ先に廃校となった。地元での教育機会の創出を地域の発展に結びつけていくことができない点は多くの山村にとって困難な課題であり続けている。